東京都では、無料の介護職員初任者研修を開講するそうです。都内で高齢者介護業務への就労を希望する方を対象に、夏休みや冬休み、土曜日・日曜日など働きながらでも無料で受講できます。詳細は、こちらをクリックしてください。

診療情報管理士の資格、待遇、働き方について

診療情報管理士

近年、情報管理、医療データ管理、データ提出について加算等もついて、診療情報管理士の役割は大きくなってきています。

診療や治療方法が高度化・専門化し、医療現場では膨大な量の診療情報が発生しています。診療情報管理士は、これらの情報を整理・分析し、医療の質を向上させるために重要な役割を果たします。診療データを正確かつ効率的に管理することは、診断や治療の精度向上、医療の安全性確保にもつながります。また、電子カルテの運用には高度なITスキルが必要であり、診療情報管理士はその専門知識を持って対応します。電子カルテの正確な運用と管理は、診療情報の迅速な共有や患者の医療情報の一元管理に寄与し、医療の効率化を実現します。

スポンサーリンク

診療情報管理士の役割

診療情報管理士は、医療機関において患者の診療情報を適切に管理し、医療の質の向上と経営効率化を支援する専門職です。診療録管理体制加算も、最近までは400床以上の病院と限定されていましたが、R6年度の改定より、200床以上に引き下げられています。

よって、今以上に規模の小さな病院でも必要とされる資格となっていきます。具体的な役割は以下の通りです:

  • 診療情報の収集・整理・保管:患者のカルテや検査結果などの診療情報を収集し、整理・保管します。
  • 情報の分析・活用:診療データを分析し、医療の質改善や経営戦略の立案に役立てます。
  • 個人情報保護:患者情報の保護に努め、適切な取り扱いを行います。
  • 法令遵守:医療関連法規に基づいた診療情報の管理を徹底します。
  • 電子カルテの管理:電子カルテシステムの運用管理を行い、医療従事者へのサポートを提供します。

資格取得方法

診療情報管理士になるためには、一般財団法人日本病院会が実施する「診療情報管理士認定試験」に合格する必要があります。資格取得のための主なステップは以下の通りです:

  • 養成校への入学:一般社団法人日本病院会が指定する大学、専門学校で3年以上、指定の単位を修得した後、認定試験に合格すると、「診療情報管理士」として認定され登録される。指定校は、18の大学と専門学校40校(2024年現在)がある。
  • 養成校以外:指定校以外の大学、短大、専門学校を卒業。一般社団法人日本病院会が主催する「診療情報管理士通信教育」を2年間受講すると認定試験の受験資格が得られる。
  • 認定試験の受験:養成校の卒業後、又は、通信教育修了者は、診療情報管理士認定試験を受験し、合格することで資格が取得できます。

診療情報管理士認定試験は、以下の分野についての知識を問う問題が出題されます:

  • 診療情報管理学
  • 医療情報学
  • 医療統計学
  • 医療法規
  • 医療情報システム
  • 医療事務

必要なスキル

診療情報管理士には、以下のようなスキルが求められます:

  • 医療知識:医療用語や病気、治療法に関する基本的な知識。
  • 情報管理能力:診療情報の収集、整理、保管、分析に関する能力。
  • ITスキル:電子カルテや医療情報システムの操作に関する知識。
  • コミュニケーション能力:医師や看護師などの医療従事者と円滑に連携するためのコミュニケーション能力。
  • 法令知識:個人情報保護法や医療関連法規についての知識。

待遇

診療情報管理士の待遇は、勤務先や地域、経験年数によって異なりますが、一般的な待遇を以下に示します。

  • 給与:初任給は月額20万円~30万円程度が一般的です。経験やスキルに応じて給与は上昇し、管理職に就くことでさらに高い給与が期待できます。
  • 福利厚生:社会保険完備、交通費支給、制服貸与、研修制度などが整っていることが多いです。正社員として雇用される場合、賞与や昇給もあります。
  • 勤務時間:一般的には8時間勤務で、シフト制が多いです。大規模病院では、夜勤や休日勤務が求められることもありますが、中小規模の診療所やクリニックでは通常の日勤が中心です。診療所やクリニックでの需要は少なく、200床以上の病院で需要が伸びています。

働き方

診療情報管理士の働き方は、勤務先や個人の状況により多様です。以下に一般的な働き方の例を示します。

  • 病院勤務:大規模病院では、複数の診療情報管理士がチームで業務を担当します。専門分野ごとに分担し、効率的な診療情報管理を行います。診療情報を一括管理する管理室を与えられて仕事をしている方が多いのも病院の特徴です。
  • 診療所勤務:中小規模の診療所やクリニックでは、幅広い業務を担当することが多いです。診療情報管理士として単体で働いているところはごくわずかです。医事課との兼務や事務長との兼務、複数の診療所を一元管理などとなるケースが多いと考えます。

キャリアパス

診療情報管理士としての経験を積むことで、以下のようなキャリアパスが開けます。

  • 管理職:診療情報管理部門のチームリーダーやマネージャーとして、部門全体の管理・運営を担当します。
  • 専門職への転向:診療情報管理士の経験を生かし、医療情報システムの開発や運用管理、医療データ分析の専門職に転向することも可能です。
  • 教育・研究職:診療情報管理士養成校の講師や、医療情報に関する研究職としてキャリアを積むこともできます。

まとめ

診療情報管理士の需要が増えている理由は、医療の高度化と専門化、電子カルテの普及、個人情報保護と法令遵守、データ活用による医療の質向上、医療機関の経営効率化、高齢化社会の進展、診療情報の標準化と連携、そして研究・教育分野での活躍など、多岐にわたります。これらの要因が相互に関連し合い、診療情報管理士の重要性と需要が高まっています。今後も医療現場での役割が拡大することが予想され、診療情報管理士は医療の質向上と効率化に不可欠な存在となるでしょう。

タイトルとURLをコピーしました