助産師看護師どっちが大変？働き方やキャリアの違いを詳しく解説

看護師さん

看護師と助産師ってどちらが大変な職業なのか、私達現役の看護師も比較したことってないんです。

管理人

どちらも大変だとは思いますが、具体的な違いは確かにわかりませんよね。

看護師さん

そうなんです。だから、少しわかりやすく比較してください。

管理人

わかりました。私がわかる範囲で記述してみます。

助産師と看護師はどちらも医療の現場で活躍する重要な職業ですが、「助産師看護師どっちが大変？」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。助産師として働く場合、妊娠・出産・産後のケアを専門とし、新しい命を迎えるサポートをする一方で、勤務の負担や責任の重さが伴います。また、助産師の月給や手取りは看護師と比べて高い傾向にありますが、助産師の就職は難しいと言われることもあり、就職先の選択肢が限られる点が課題とされています。一方で、助産師は人気のある職業でもあり、やりがいを感じる人が多いのも特徴です。

徳洲会グループのリクルートページを見ると、助産師の割合は、看護職員全体の1.3%しかいないことが理解できます。また、令和４年衛生行政報告例（就業医療関係者）の概況のデータから、助産師の割合を見てみると2.3%です。

看護職の就業人数と割合としては、看護職全体で1,684,378人
看護師　1,311,687人（77.9%）、保険師　80,299人（4.8%）助産師　38,063人（2.3％）、准看護師　254,329人（15.1%）となっています。

現場では「助産師がいないと困ること」が増えており、特に地方では助産師不足が深刻化しています。そのため、助産師として働くことに魅力を感じつつも、負担の大きさから「助産師を辞めたい」と考える人も少なくありません。では、助産師と看護師の仕事内容や給与、就職事情はどう違うのか、また、それぞれの働き方にはどのような特徴があるのか。この記事では、助産師と看護師の違いや大変さを徹底比較し、それぞれの職業の魅力と課題を詳しく解説していきます。

助産師と看護師の仕事内容や役割の違い
助産師と看護師の給与や就職の難しさの違い
助産師と看護師の負担や離職率の違い
助産師が不足すると現場に与える影響

目次•監修

助産師と看護師どっちが大変？仕事内容や負担を比較
助産師と看護師どっちが大変？給与や就職事情を解説

助産師と看護師どっちが大変？仕事内容や負担を比較

助産師と看護師の仕事内容の違い
助産師として働く場合の負担とは
助産師がいないと困ることとは？

助産師と看護師の仕事内容の違い

助産師と看護師は、どちらも医療現場で活躍する職業ですが、担当する業務や役割には大きな違いがあります。

まず、助産師は妊娠・出産・産後のケアを専門とし、妊婦や新生児の健康管理を行います。具体的には、妊婦健診の補助、分娩の介助、母乳指導、産後のメンタルケアなどが主な業務です。医師の指示がなくても、正常な出産であれば助産師が主体となって分娩をサポートすることができます。そのため、妊婦や新生児の生命に直結する判断を求められる場面が多く、高い専門性と責任感が必要です。

一方で、看護師は病気や怪我の治療をサポートする職業です。病院やクリニックのほか、介護施設や訪問看護ステーションなど、さまざまな現場で働きます。患者の体調管理、検査や治療の補助、薬の投与、医師の指示に基づくケアなどが主な業務です。助産師と違い、看護師は分娩を取り扱うことはできませんが、妊婦や産後の女性が入院した際のケアを担当することはあります。

このように、助産師は妊娠・出産・産後に特化したケアを行う専門職であり、看護師はより幅広い医療分野で患者のサポートをする職業です。それぞれの役割に応じた知識と技術が求められるため、自分がどの分野で活躍したいかを考えた上で職業を選ぶことが大切です。

助産師として働く場合の負担とは

助産師として働く場合、身体的・精神的な負担が大きいと言われています。妊婦や新生児の命を預かる仕事であるため、高度な判断力と責任感が求められることが主な理由です。

まず、勤務時間が不規則になりやすい点が挙げられます。分娩は時間を選ばず起こるため、夜間や早朝の対応が必要になることも少なくありません。特に、分娩介助が続く場合は長時間勤務になりやすく、十分な休息が取れないこともあります。

また、精神的な負担も大きな要素です。妊婦の状態や出産の進行具合によっては、緊急対応が求められる場面があり、迅速な判断が必要になります。さらに、妊婦や家族とのコミュニケーションも重要であり、安心して出産できるよう細やかな対応が求められます。そのため、精神的なプレッシャーを感じることが多い仕事です。

加えて、産後ケアの一環として、母乳指導や育児相談を行うことも助産師の業務です。産後の母親はホルモンバランスの変化や育児の不安から、精神的に不安定になることがあります。そのため、助産師は医療知識だけでなく、心理的なサポート能力も必要とされます。

このように、助産師は専門的な知識や技術だけでなく、長時間労働や精神的な負担にも耐えうる体力やメンタルの強さが求められる仕事です。しかし、その分、命の誕生に関わるやりがいが大きく、感謝される場面も多い職業だと言えます。

助産師がいないと困ることとは？

助産師がいない場合、妊娠・出産・産後のケアに関してさまざまな問題が発生します。特に、妊婦や新生児にとって適切なサポートが受けられなくなることは大きな懸念点です。

まず、出産の現場における影響が考えられます。助産師は、正常な分娩であれば医師の指示なしに対応できる専門職です。しかし、助産師が不足すると、すべての分娩を医師が対応しなければならず、病院の負担が増大します。その結果、出産を希望する妊婦の受け入れが難しくなり、医療機関が逼迫する可能性があります。

また、産後のケアにも影響が出ます。助産師は母乳指導や育児相談、産後うつのサポートなどを行う役割を担っています。もし助産師がいなければ、産後の母親が適切なケアを受けられず、不安や孤独を感じることが増えるかもしれません。特に、初めて出産を迎える母親にとっては、専門的なサポートが受けられないことは大きな負担となるでしょう。

さらに、地域医療にも影響を及ぼします。助産師が活躍する場は病院だけではなく、助産院や訪問助産にも広がっています。特に、病院が少ない地域では助産院が重要な役割を果たしており、助産師の不足によって妊婦が遠方の病院まで行かざるを得なくなるケースも考えられます。

このように、助産師がいないことで妊娠・出産に関するサポートが不足し、母子ともに大きな負担がかかる可能性があります。そのため、助産師の確保と働きやすい環境づくりが求められています。

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助産師と看護師どっちが大変？給与や就職事情を解説

助産師の月給や手取り額の実態
助産師と看護師の給与比較
助産師の就職は難しい？人気の理由とは
看護師の就職事情との違い
助産師を辞めたいと感じる理由とは
看護師と助産師の離職率の違い
助産師の人手不足が深刻な理由

助産師の月給や手取り額の実態

助産師の給与は、勤務先や経験年数によって大きく異なります。一般的に、病院や助産院、自治体の保健センターなどで働くことが多く、それぞれの職場によって給与体系が異なります。

まず、助産師の平均月給は約30万円～40万円程度とされています。ただし、これは基本給に加えて夜勤手当や残業手当などの各種手当を含めた金額であり、勤務形態によって収入に差が生じます。特に夜勤が多い病院勤務の助産師は手当が上乗せされるため、比較的高収入になりやすい傾向があります。一方で、助産院やクリニックなどでは夜勤が少ないこともあり、病院勤務と比べると給与が若干低くなることがあります。

また、手取り額に関しては、ここから所得税や社会保険料などが差し引かれるため、実際に受け取る金額は月給の約80％程度になります。例えば、月給が35万円の場合、手取りは約28万円前後となることが一般的です。さらに、助産師は資格手当が付与されるケースが多く、これが給与の底上げにつながることもあります。

しかし、助産師の給与は地域差も大きく、都市部では比較的高収入が期待できる一方で、地方では給与水準が低くなることもあります。また、経験年数が増えることで昇給する傾向にありますが、大幅な賃上げが見込めるかどうかは勤務先の規模や経営状況にも左右されます。

このように、助産師の給与は比較的安定しているものの、勤務形態や勤務先によって違いが生じるため、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。

助産師と看護師の給与比較

助産師と看護師の給与を比較すると、一般的には助産師のほうがやや高めに設定される傾向にあります。これは、助産師が看護師よりも専門性の高い業務を担うことが主な理由です。

まず、看護師の平均月給は約28万円～35万円程度であるのに対し、助産師は30万円～40万円ほどとされています。特に、夜勤手当や資格手当が助産師の方が高く設定されている場合が多く、総支給額の面では助産師が優遇されることが多いです。また、助産師は正常分娩を単独で担当できるため、その分の責任の重さが給与に反映されていると考えられます。

一方で、賞与（ボーナス）に関しては、看護師と助産師で大きな違いは見られません。病院やクリニックの規定によって異なりますが、年間3～4か月分が支給されることが一般的です。しかし、公立病院や大学病院などの大規模な医療機関では、看護師の給与水準も比較的高いため、助産師との差が小さくなるケースもあります。

また、手取り額に関しても、助産師の方が看護師より若干高くなる傾向があります。これは、資格手当や分娩手当が支給されることが影響しています。ただし、手取り額は税金や社会保険料の控除後の金額となるため、実際の差は月に数万円程度に収まることが多いです。

このように、給与の面では助産師のほうが有利な傾向があるものの、看護師は就職先の選択肢が広く、キャリアアップの道も多様です。そのため、給与面だけでなく、将来の働き方も考慮して職業を選ぶことが重要です。

助産師の就職は難しい？人気の理由とは

助産師の就職は、一般的な看護師と比べると難易度が高い傾向にあります。助産師になるためには、まず看護師の資格を取得した上で、さらに助産師養成課程を修了し、国家試験に合格する必要があります。そのため、助産師の数自体が少なく、求人の枠も限られていることが就職の難しさにつながっています。

特に、総合病院や大学病院などの大規模医療機関では、助産師の採用枠が少なく、競争率が高くなる傾向があります。分娩数の多い病院では助産師の需要があるものの、すでに経験豊富な助産師が多く在籍していることもあり、新卒での採用が難しいケースもあります。そのため、助産師はまず看護師として病棟勤務を経験し、その後助産師としての採用を目指すことも少なくありません。

一方で、助産師は非常に人気の高い職業でもあります。その理由として、まず挙げられるのが「出産という人生の大きなイベントに関わる仕事」であることです。妊婦や家族と長期的に関わり、出産をサポートできる点にやりがいを感じる人が多いです。また、助産師は看護師よりも専門性が高く、給与面でも比較的優遇されることが人気の要因となっています。

さらに、近年では助産院や訪問助産といった働き方も広がっており、病院勤務だけでなく、個人で開業する選択肢も増えています。このように、助産師は専門性の高さややりがい、給与の面で魅力がある一方で、就職の難易度が高いため、しっかりと計画を立ててキャリアを積むことが重要です。

看護師の就職事情との違い

助産師と看護師では、就職事情に大きな違いがあります。看護師は医療機関や介護施設など、多様な職場で需要があり、比較的就職しやすい職業とされています。一方で、助産師は就職できる施設が限られており、求人数も少ないため、就職の難易度が高い傾向にあります。

まず、看護師の就職先は病院やクリニックをはじめ、介護施設、訪問看護ステーション、企業の医務室など多岐にわたります。特に病院では慢性的な人手不足が続いているため、新卒の看護師でも比較的スムーズに就職することができます。また、診療科によっては専門的なスキルを身につけることでキャリアアップの道も広がります。

一方で、助産師の就職先は主に産科病院や総合病院の産婦人科、助産院などに限られます。分娩を扱う施設自体が限られているため、助産師の求人枠も少なくなります。また、新卒の助産師がいきなり分娩介助を担当することは少なく、研修期間が設けられることが一般的です。そのため、助産師の就職にはある程度の実務経験が求められることが多く、看護師よりもハードルが高いと言えます。

また、看護師は全国どこでも需要が高いため、都市部・地方を問わず就職先を見つけやすいですが、助産師の場合は分娩を扱う医療機関が限られているため、地方では選択肢が少なくなることがあります。一方で、助産院やフリーランス助産師として独立する道もあり、病院勤務以外の働き方を選ぶ人も増えています。

このように、助産師と看護師では就職先の選択肢や求人数に大きな違いがあり、助産師の方が就職の難易度が高くなる傾向にあります。そのため、助産師を目指す場合は、しっかりとキャリアプランを考え、経験を積むことが重要です。

助産師を辞めたいと感じる理由とは

助産師は多くの人の出産を支えるやりがいのある仕事ですが、離職を考える人も少なくありません。その背景には、主に以下のような理由が挙げられます。

まず、身体的な負担の大きさが挙げられます。分娩は時間を選ばず発生するため、助産師の勤務は不規則になりがちです。夜勤や長時間労働が続くことで、慢性的な疲労が蓄積し、体力的に厳しさを感じる人も多いです。特に、夜間の分娩対応が頻繁にある職場では、十分な休息を取れずに働き続けることになり、体調を崩すケースもあります。

次に、精神的なプレッシャーの強さも離職理由の一つです。助産師は、妊婦や新生児の命を預かる重要な役割を担っているため、一つの判断ミスが大きな結果を招く可能性があります。そのため、常に緊張感を持って仕事に取り組む必要があり、精神的な負担が大きくなります。また、妊婦やその家族とのコミュニケーションも重要であり、ときには感情的な対応を求められることもあります。これがストレスにつながる場合も少なくありません。

さらに、職場環境や人間関係の問題も辞めたいと感じる要因になります。助産師の現場は経験が重視されるため、新人や若手の助産師が指導を受ける際に厳しい言葉をかけられることもあります。また、医師や看護師との連携が必要な場面も多く、コミュニケーションがうまくいかないと仕事のストレスが増すことになります。

最後に、キャリアの選択肢の少なさも関係しています。助産師は専門性が高いため、他の医療職と比べて転職の幅が狭く、働き方を変えにくいと感じる人もいます。そのため、長年の勤務で体力的に厳しくなった際や、家庭との両立が難しくなった際に、辞める決断をするケースが見られます。

このように、助産師の仕事には大きなやりがいがある一方で、身体的・精神的な負担の大きさや職場環境が影響し、辞めたいと感じる人もいるのが現状です。

看護師と助産師の離職率の違い

看護師と助産師の離職率には明確な違いがあり、一般的に助産師の方が離職率が高いとされています。これは、助産師が特定の分野に特化した職業であり、業務の負担が大きいことが関係しています。

まず、看護師の離職率は約10～15％程度とされており、特に若手の看護師の離職が多い傾向にあります。看護師は医療機関だけでなく、介護施設や企業の医務室、訪問看護など幅広い職場で働くことができるため、転職を考える人が多いのが特徴です。特に、病棟勤務の看護師は夜勤が多く、ハードな環境に耐えられずに別の職場を探すケースが見られます。

図引用：国立大学病院看護部長会議

一方で、助産師の離職率は15～20％程度と、看護師よりも高めです。その理由の一つとして、助産師の仕事は勤務先が限定されることが挙げられます。助産師が働く場所は主に産婦人科病院や助産院に限られ、一般的な病棟勤務の看護師と比べて選択肢が少なくなります。そのため、職場環境が合わないと感じても、転職先を見つけるのが難しく、結果的に離職を選ぶ人が増える傾向にあります。

また、助産師の仕事は精神的・身体的負担が大きいことも影響しています。分娩の対応は昼夜問わず発生し、緊急時には迅速な判断が求められます。加えて、妊婦や家族との信頼関係を築く必要があり、精神的なストレスが積み重なりやすい職業です。このような負担が続くことで、助産師としてのキャリアを継続するのが難しくなることがあります。

さらに、助産師はキャリアチェンジが難しい点も離職率を高める要因です。看護師は診療科を変えることで新たなスキルを習得しながら働くことができますが、助産師は分娩や産後ケアを専門とするため、他の分野に移るのが容易ではありません。そのため、出産対応に疲れた助産師が、他の医療職への転職を希望しても選択肢が限られるケースがあります。

このように、助産師と看護師では就職や転職の選択肢、業務の負担に違いがあり、その結果として助産師の方が離職率が高くなる傾向にあります。とはいえ、どちらの職業も社会的に重要な役割を果たしており、働き続けるためには職場環境の改善や働き方の見直しが必要とされています。

助産師の人手不足が深刻な理由

助産師の人手不足は全国的に深刻な問題となっており、特に地方の産科医療ではその影響が顕著に現れています。この背景には、いくつかの要因が関係しています。

まず、助産師の養成数が限られていることが挙げられます。助産師になるためには、看護師資格を取得した後に助産師養成課程を修了し、国家試験に合格する必要があります。看護師と比べて取得までのハードルが高く、養成機関も少ないため、新たに助産師として働く人の数が十分に確保されにくい状況にあります。そのため、出産の現場で助産師が不足する要因の一つになっています。

また、勤務の負担が大きいことも人手不足の原因となっています。助産師は24時間体制で分娩をサポートする必要があり、夜勤や急な呼び出しが多くなります。特に、分娩が集中する時期には休憩が取れないほど忙しくなることもあり、身体的な負担が大きい職業です。このような過酷な労働環境が続くことで、助産師の離職率が高まり、人手不足が加速してしまいます。

さらに、助産師の働く場が限定されていることも問題の一因です。助産師は主に産科のある病院や助産院で働きますが、分娩施設を持つ病院は減少傾向にあり、助産院の数も限られています。その結果、新たに助産師の資格を取得しても、希望する職場で働ける機会が少なくなり、別の職業を選ぶ人も増えています。

加えて、地方における助産師不足が特に深刻です。都市部では助産師の求人が一定数ありますが、地方では分娩施設自体が少ないため、助産師が働ける環境が整っていないことがあります。そのため、都市部に助産師が集中し、地方ではさらに人手が不足するという悪循環が生じています。

このように、助産師の人手不足は、養成数の少なさ、勤務負担の大きさ、働く場の制約、地域格差など、さまざまな要因が重なって生じています。今後、助産師が働きやすい環境を整え、育成制度を見直すことが、人手不足を解決する鍵となるでしょう。