昨日の記事で最後の方に看護補助者の減少が深刻化していることを記述しました。
転職という話とは少し異なりますが、離職率低下に努力している医療機関は、働きやすさを追求している医療機関でもあります。
転職するにも離職率低下や人材の定着で工夫しているところを選択するのも手段だと思いますので、そのような医療機関の工夫もご紹介していきたいと思います。
色々調べていると、学校法人北里研究所 北里大学病院(神奈川県)で看護補助者向けのラダーを導入しているという動画を見つける事が出来ました。
看護師向けラダーはごく一般的ですが、看護補助者、医療機関によっては看護助手とも呼んでいる職域に関するラダーは、まだまだ導入は進んでいないとは思っています。
確かに賃金、給料という面では、処遇改善は進んでいるとは思いません。しかし、働く環境を見直すというのも離職率低下、入職率向上につながる可能性がありますので、ラダーの導入は効果的と捉えられます。
看護補助者の人材不足問題は、看護師の負担増加につながります。看護師が本来の業務を行えなくなる懸念からの導入に至っていました。
「看護補助者の拡大チーム」編成と「看護補助者ラダー」の2つを用いた教育体制を構成しています。看護補助者というと、病棟などで別々に仕事をしていますので、業務の行い方などが異なり、応援体制すら難しい状況をサポートし合える組織体制に変更しています。
また、教育内容の充実を図り看護補助者のスキルアップも目的としていました。これらの取り組みによって、応援体制の強化と看護補助者の離職率の低下という成果を上げることに成功しているようです。
看護補助者の定着と人材の質向上を目指した取り組みということで、多くの施設にとって重要な課題の参考になる取り組みであると評価できると考えています。
取り組みに関する詳細やPDFは日本看護協会のサイトから閲覧することが可能です。
確かにラダーの導入は理想的ではありますが、小さな医療機関での導入は非常に困難でもあります。また、看護師の上層部がしっかり理解していないと、ラダーも形だけの導入になりがちです。
そして、ラダーに一緒に導入して欲しいのが、段階別の給料体制であり、段階をクリアしていった看護補助者の給料も段階的に上げれる仕組みが出来ると、今以上に質の向上と定着率向上が図れると考えています。
介護福祉士の採用を拡大している医療機関も増えている
看護補助者の雇い入れに苦労している医療機関では、介護業界で働く介護福祉士の採用を行っているところも増えています。実際に僕の医療機関でも優先して介護福祉士を採用しています。
介護のプロなので、初期教育することも少なく、ある程度は即戦力になり得る資格です。
介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修とキャリアを重ねて介護福祉士を目指す看護補助者もいますので、看護補助者のキャリアアッププログラムに組み込むのもひとつの選択肢です。
無資格の看護補助者を積極的に雇っていた以前と違い、格段にクリニック内の介護力は増しました。身近にケアするスタッフの一員として活躍しています。
看護補助者標準研修 看護補助体制充実加算該当パッケージ
看護協会は、令和6年度診療報酬改定における「看護補助体制充実加算」の要件に該当する研修として「看護補助者標準研修-看護補助体制充実加算該当パッケージ-」を準備しています。
研修方式は、オンデマンド研修と、直接ケアに関する演習の組み合わせによる研修となっていて、既に研修プログラムは、看護協会のHPに発表されています。
「看護補助体制充実加算」取得条件で、施設基準に「当該病棟の看護師長等は所定の研修を修了していること。当該病棟の全ての看護職員が院内研修を年1回以上受講していること。」とありますので、加算取得を目的としたキャリアプログラムとなっています。
詳細は、日本看護協会
看護補助者標準研修 看護補助体制充実加算該当パッケージ