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臨床検査技師の需要と供給、転職についての考察

国家資格別

臨床検査技師を養成する承認校は2014年が75校であったのに対して,2022年には93校と大幅に増加している。

国家試験の受験者数,合格者数および合格率も学校の増加に伴い、2014年がそれぞれ4,148名,3,368名,81.2%であるのに対して,2022年には4,948名,3,729名,75.4%であった。

2024年は、4,946名、3,800名、76,8%と更に増加している。受験者数4,946名に対して新卒者が4,051名というのは、毎年新規の臨床検査技師が学校卒業で4,000名程送り出されている証でもある。

下記は、厚生労働省のデータになる。
https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2024/siken07/about.html

臨床検査技師は、2015年から採血以外の検体採取などの業務が拡大され、業務需要は増加している。しかしながら、年々病院の数は減っていることから、供給過多ではないかと推測される。

実際に、就職や転職需要も各医療施設の臨床検査技師の人員は、一定の人数が確保されると新たな採用は行わないのが一般的な傾向であり、一般業務の大半が機械によるオートメーション化している。

臨床検査技師の業務は、尿・便などの一般検査、血液学的検査、生化学的検査、免疫血清学的検査、微生物学的検査、輸血検査、臓器移植関連検査、遺伝子検査、病理学的検査など多岐にわたります。

これらを全て行うわけではなく、各部署に分かれて業務を行うことがスタンダードです。

検査全般がオートメーション化されている中でも生理学的検査などは、直接患者に接して行う検査になり、心電図や脳波、呼吸器検査や超音波検査などが該当すると言えばわかりやすいのではないか。

それなりの規模の病院では、各職域から募られたチームで構成される感染対策チームや栄養サポートチームなどにも需要があり、活躍できる場所となっている。

将来的にも活躍の場は存在し、これから先も需要がある技術職であるが、新卒の数と就職、転職需要の数とは、どうしても不釣り合いな気がしている。

各医療機関でも一定の人員がいれば求人は行わない状況が一般的であり、退職や定年などで穴が空いた場合のみの採用となるだろう。

運良く、そのような求人に巡り合った際には、積極的に転職などを考慮しても良いだろうが、日常から人手不足で困っている業種でないということは理解しておくべきだと思う。そして、毎年新卒が4,000名ほども送り出されている資格であるということから、就職難だということも理解が必要である。

就職先は、医療機関のほかに、医療機器メーカーや製薬メーカー、治験関連企業、最近では食品関連の企業へ進む卒業生も増えてきている。

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転職前に学んでおいて欲しい事

臨床検査技師としての転職を考える場合、以下のような事柄を是非学んでおいて欲しいと思います。私は、面接官として様々な事を聞きますが、世間話の中でも、その人の成長度合い、自身の資格や最新の医療情報、世の中の動きなどを理解しているのかを見極めています。その中で、しっかり勉強しているな、成長しているなという方を採用するようにしています。

  1. 最新の技術と検査法: 医療も医療技術も年々進化しています。臨床検査の最新の情報はもちろんの事、トピックになっている検査や医療技術について常に学習し、自己研鑽しているかが転職の際に重要になります。自身の専門分野は勿論ですが、転職後に関わるかもしれない臨床検査全般に関する勉強と理解は絶対に必要になります。
    私達は、臨床検査技師に専門的な知識のみを求めてはいません。一般検査も出来る、生理検査も出来る、病理検査を学びたい、そんなマルチな人材を求めるでしょう。
  2. データ解析と情報管理: 以外と臨床検査技師で足りないのが、医療データの解析、情報管理能力、統計学の勉強をしている方です。実は、データ管理や解析は、臨床検査技師にとって、今後ますます重要になっています。単に検査するという部分にとどまらず、データ解析のソフトウェアを使用してみる、統計解析の基礎を学んでおくと有益だと考えます。
    医療はエビデンスの基に成り立つものです。そしてエビデンスは、データが基になりますので、統計や管理が出来ることが大切です。
  3. コミュニケーションスキル: なんといっても面接では、あなたのコミュニケーションスキルを確認します。勉強しなさいと言っても難しいスキルの一つです。コミュニケーションスキルがあなたにあるか?それは、他人が評価するものですので、自身が日ごろから意識しているかが問われていきます。
    ・ うちの医療機関に向いているのか?看護師や先生とコミュニケーションは大丈夫か?
    ・ 後輩育成できそうなコミュニケーションスキルを持っているのか

    この点は、面接の世間話等の中で特に重要視します。話し方、伝え方には上手下手がありますので、日頃から勉強しておく必要はあります。
  4. 職業倫理と法律知識: ご存知のように医療の現場では倫理的な問題や法的な規制が多くあります。臨床検査技師は患者のプライバシーを保護し、倫理的な標準に則って行動する必要があります。少なくとも、自身の資格に関連した関連法律、規制については理解しておく必要があります。
  5. 診療報酬改定:私は常日頃から診療報酬改定を気にして情報を得ています。看護師の多くは、診療報酬に疎く、興味を示しません。しかし、医療従事者であるのならば、自身が何をすると、どんな点数が発生して、患者へ請求されるのかは理解しておくべきだと思います。
    私は、診療報酬を理解していない医療従事者は、本当のプロだとは思っていません。診療報酬改定は、少なくとも医療の生末を物語っておりますので、興味を示して理解しておくことが大切だと思います。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00012.html
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