教育体制のしっかりしたところで働きたい!
転職希望者の中には、何よりも教育体制でしっかりしたところで働きたいと願う看護師もいます。
多くは、給料や人間関係を気にする看護師が多くみられるのですが、たまに教育体制重視にする方に出会います。なぜなんだろうなと本人達に聞いていくうちにわかったのですが・・・
現職には下記が無く不満があるとのことでした。
・ 看護部が存在していない
・ クリニカルラダーのような教育体制がない
・ 上層部が、認定看護師、特定行為研修、専門看護師などに理解がない
・ キャリアアップ支援などがない
・ 院内・院外研修にいけない
・ 中途採用者の教育体制がない
要するに教育体制が整っていない病院へ勤務してしまった。周りの同期などは色々な勉強をしているのに取り残されている感がある方が多いです。
一般的に考えると、看護部があることで、教育理念のもとに目的や体制が整っているはずですし、新人看護師に対する臨床研修なども実施されているはずです。クリニカルラダーへの理解がないような看護部があるとは思えません。
しかし、やはり病院の規模に応じては、看護部が機能していない病院などもあり、教育体制が充実していない所も見受けられるとのことでした。もちろん、クリニックのような小規模医療機関になればなるほど、教育体制の違いが大きくなります。
教育体制が整った医療機関を選ぶ際のポイント
- 新人教育プログラム:
- 新人看護師向けの研修プログラムが充実しているか確認しましょう。これには、病棟での実地研修や講義形式の研修、シミュレーション研修などが含まれます。
- プリセプター制度:
- プリセプター制度は、新人看護師がスムーズに現場に適応できるように、経験豊富な先輩看護師がマンツーマンでサポートする制度です。導入されているかを確認すると良いでしょう。
- 継続教育プログラム:
- 新人教育だけでなく、キャリアを通じてスキルアップができる継続教育プログラムが整備されているか確認します。専門看護師や認定看護師の資格取得支援があるかも重要です。
- キャリアパスの明確化:
- 看護師としてのキャリアパスが明確に示されているか、管理職や専門職への昇進がどのようにサポートされるかを確認しましょう。
- 外部研修や学会参加の支援:
- 外部の研修や学会への参加が奨励され、参加費用が支援されるかどうかも、教育体制が整っているかを判断するポイントです。
看護師の傾向について
特に近年、大学・大学院卒業という看護師が増え続け、専門性を高めたい、研究も行っていきたい、指導者になっていきたいという看護師が増えているようです。
専門学校卒業とは違う給料体系、キャリア支援体制などを表面化してあげる必要はあると思っています。筆者の医療機関はクリニックなので、大卒看護師と専門学校卒看護師で違いを出すことは難しい状況です。
特定機能病院や赤十字病院、国立、県立、市立といった中規模病院などのでは、新人看護師、中途採用者の教育体制が整っているイメージです。しかし、規模が小さくなればなるほど、同じようには行きません。
よって、どうしても教育体制に満足感を得たいのなら、大きな病院への就職をお勧めします。当方にも面接に来て、大きな病院と教育体制などを比較したりする看護師がいますが、さすがに同じようには行きません。
中途採用の看護師を迎える教育プログラムを持つ医療機関もある
中途採用者に特化させた教育プログラムを持ったところもありますし、全く無い所もあります。
中途採用 → 即戦力
と捉えているような医療機関だと、一見良いように聞こえますが、正直危険かなと黄色信号を私は出します。
大体、そういう考えの医療機関は、中途採用者を理解していない職場だと思います。最初から何でも出来ると思われて、いざ経験がない、やったことがないと言えば罵られたり、驚かれたりするものです。
経験や専門部署、医師や医療の質などで医療機関の体制は違いますので、さすがに即戦力扱いされるような場所は危険です。
医療機関独自のルールや風習、慣習がありますので、最初はそこから覚えさせてくれるような医療機関が安全です。いずれにしても、中途採用者に対する扱いを、紹介会社のアドバイザーなどに事前に相談しておくと教えてくれると思います。
教育体制は整っているが・・・大規模病院にある落とし穴
教育プログラムがしっかりしているからと言って、安心するのも束の間です。実は、大きな病院、教育プログラムがしっかりしている病院にも落とし穴があります。
それは、
・ 委員会活動
・ 病棟会
・ 研修
この3つです。
委員会活動は正直皆やりたくはないと思います。
勤務時間外、休日出勤、自宅での資料作成等・・・・・色々想定してしまいますが、委員会活動こそ大きな病院では慣例的に行われている落とし穴です。委員会活動は、時間外手当、休日手当すら支払われない、負担が大きいと不評です。実は、大規模な病院程、この委員会活動が活発に動いています。
次に病棟会ですが、こちらは看護師長中心に行われる会です。
師長は、ほぼ日勤なので必ずといって良いほど出勤するでしょうが、夜勤明けや休日の看護師まで出席するようにしてる病院もあるようです。いや、あります!
強制していなくとも慣習的に出席しなくてはいけない風潮になっている病院があるということです。病棟会のシステムや慣習は、事前に聞いておくべきです。
後は、研修会ですが、こちらも教育体制がしっかりしているところに見受けられる点です。
要するに、院内研修会の多くは、休日や日勤帯終了後に行われることが多いわけですので、研修が多いところは、時間外研修が多いとなります。
いずれにしても上記3つは、教育システムがしっかりしているところにありがちな、落とし穴です。
僕の娘も看護師で、それなりに大きな病院へ勤めている5年目の看護師ですが、常に上記3つで休みが潰れて悩んでいます。身近に潜む罠です。