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医療現場の転職市場

作業療法士

医療従事者の転職市場は、様々な要因が絡み合い、変動するダイナミックな市場です。看護師や医師は、常に引手数多であり、地域を問わず就職先が溢れています。この状態は、私が転職活動をしていた当時から、今も変わりません。看護師や医師は、職に困ることがなく、非常に転職、就職しやすい環境にあります。以下に、医療従事者の転職市場に関する主要な考察を示します。

1. 人手不足と高需要

高齢化社会

高齢化が進む中で、医療サービスの需要が増加しています。これに伴い、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士などの医療従事者、介護従事者の需要が高まっています。これから先、2040年くらいまでこの状況が続くと言われていますので、まだまだ需要が高い市場です。

病院の霊安室に待ちが出来るのではないかと想定される一方です、既に火葬場はパンク状態の自治体もあるようです。要するに高齢者が多くなると、病気になる人も多くなり、亡くなる人も多くなるといった連鎖が起きます。いずれにしても、医療従事者の需要は高まるばかりです。

年齢階級別推移

看護師の就業年齢を表にしたものが下記の2つですが、35歳を過ぎた頃からの就業率が年々上昇しているのがわかると思います。

下記の表を見ると、35歳以上の就業者が年々増えていることに気づくと思います。特に60歳以上の就業も多くなりました。定年後就労も増えていると想定されます。また、中高年の就業も増えていますので、潜在看護師が復職している状況も見えてきます。

資料:令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況 表2就業場所別にみた就業保健師等 看護師の実人員数割合

2. 労働環境と職場ストレス

過重労働

医療従事者はしばしば過重労働に直面しており、これが離職率の高さや転職の一因となっています。特に看護師や介護士は、夜勤や長時間労働が一般的で、精神的・肉体的なストレスが大きいです。同じ職場で長く働くということは、相当な努力によるものだと思います。

職場のサポート

労働環境や職場のサポート体制が不十分な場合、医療従事者は転職を検討することが多いです。職場の風土や人間関係も、転職を決断する重要な要因となります。

3. キャリアパスとスキルアップ

専門性の追求

医療従事者は、自身の専門性を高めるために転職を選ぶことがあります。例えば、特定の専門分野に特化した病院やクリニックでの経験を積むことで、キャリアの幅を広げることができます。看護師であれば下記のような感じです。

  1. 新卒看護師: 看護学校を卒業後、病院やクリニックで看護師として働き始めます。
  2. 臨床看護師: 臨床経験を積みながら、特定の診療科(内科、外科、ICUなど)で専門性を高めます。
  3. 専門看護師: 認定看護師や専門看護師の資格を取得し、特定の分野で高度なケアを提供します(例:がん看護、感染管理)。
  4. 看護管理職: 看護主任や看護部長として、組織の管理・運営に携わります。
  5. 看護教育者: 看護学校の教員や研修指導者として、次世代の看護師を育成します。
スキルアップ
  • 継続教育: 各種研修やセミナー、オンラインコースを利用して最新の看護知識を学ぶ。
  • 資格取得: 認定看護師、専門看護師、看護管理者などの資格を取得。
  • 臨床経験: 現場での経験を通じて実践的なスキルを磨く。
  • リーダーシップ: マネジメントスキルを向上させ、リーダーシップを発揮。

継続教育

医療従事者は、常に新しい知識や技術を学ぶ必要があります。研修や教育プログラムが充実している職場は、転職市場での人気が高いです。医師や看護師は特に自身の好む専門科に進む傾向が高く、同じところに長く務めるというよりも、自身の目指すスキルアップの為に職場を変える方が多い職種です。

4. 地域差と国際的な移動

地域差

都市部と地方では、医療従事者の需要と供給に大きな差があります。地方では医療従事者が不足していることが多く、都市部からの転職者を積極的に募集しています。

国際的な移動

医療従事者の国際的な移動も増加しています。特に高い専門性を持つ医師や看護師は、より良い労働条件や生活環境を求めて海外での転職を選ぶことがあります

5. テクノロジーの進化とリモート医療

テレメディスン

リモート医療(テレメディスン)の普及により、新しい働き方が可能になっています。これにより、医療従事者は地理的制約を受けずに働くことができ、転職の選択肢が広がっています。

デジタルスキル

デジタルスキルの重要性が増しており、これに対応できる医療従事者の需要が高まっています。ITに強い医療従事者は、新しいテクノロジーを活用する職場での転職に有利です。

まとめ

医療従事者の転職市場は、多くの要因によって変動しています。高齢化社会やパンデミックによる需要増加、労働環境の改善、キャリアアップの機会、地域差、国際的な移動、そしてテクノロジーの進化が、転職市場に大きな影響を与えています。医療従事者がより良い労働環境とキャリアパスを求める中で、これらの要因を考慮しながら転職を検討することが重要です。

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