下記は、専門看護師と認定看護師の違いに関する資料になります。
先に、この2つの違いが、いまいちわかりにくいという指摘もありますので、ここで両者の違いに関して記述していきます。
専門看護師、認定看護師の大きな違いについて
先ずは、下記資料をご覧ください。
専門看護師は14の特定分野、認定看護師は19の特定分野が対象となっています。認定看護師は、A課程(特定行為研修なし)が2026年度で終了し、B課程のみに限定されます。特定分野も現在の21分野から19分野に統合されます。これから記述する内容は、認定看護師がB過程のみ限定で記述していきますので、ご了承ください。
専門看護師の特定分野
急性・重症患者看護、慢性疾患看護、感染症看護、放射線看護、がん看護、精神看護、老人看護、小児看護、在宅看護、母性看護、遺伝看護、家族支援、地域看護、災害看護
認定看護師の特定分野
クリティカルケア、緩和ケア、がん薬物療法看護、生殖看護、腎不全看護、摂食嚥下障害看護、小児プライマリケア、脳卒中看護、呼吸器疾患看護、心不全看護、在宅ケア、皮膚・排泄ケア、感染管理、糖尿病看護、新生児集中ケア、手術看護、乳がん看護、認知症看護、がん放射線療法看護
専門看護師より、認定看護師の方が、学ぶ内容がより細分化されています。
特定看護師は、5年以上の実務経験(専門分野で3年以上の経験)を積んでいる看護師が、特定の看護分野において看護技術と知識を勉強し、最終的に日本看護協会の認定を受けた看護師を指します。細分化された分野で、より特化された知識・技術を習得して看護業務を実施することが目的です。看護者に対する直接的な指導や相談を行い、看護ケアの質を向上させる目的の看護師資格です。
一方で、専門看護師は、5年以上の実務経験(専門分野で3年以上の経験)は一緒ですが、大学院修士課程修了が前提となます。求められている役割には、認定看護師に「倫理調整、教育、研究」が追加されていて、看護者への教育や看護に関する研究も行います。よって、幅広い視点から看護業務全体の質を向上させるのが大きな目的となっています。取得後に現場で働くというよりも、看護学校や大学などの教育・研究機関に務める人の割合が多いというのが特徴です。
特定看護師も認定看護師も共に、最終の認定審査に合格すれば、一定の安全管理体制の下、医師の具体的指示を受けて特定行為の実施が可能となります。
専門看護師、認定看護師になるメリット
これは、一言で言えば、キャリア・スキルアップです。
給料の面での昇給や手当を良く聞かれますが、基本的には、属している医療機関によって様々であるとしてしか言いようがありません。専門分野の科を有する医療機関であり、特定分野の看護師を必要としているところであれば、手当支給、昇給なども検討しているところはあると思います。しかし、多くの医療機関、個人開設のクリニックなど、大半とは言えない、ごく限られた医療機関のみという状況です。
看護師も今は大卒が一般的ですので、専門看護師であれば、さらに大学院に2年通う必要があります。特定看護師も専門の教育機関にて1年程、教育と研修を受けるようになります。共に大体ざっくりですが、200万円程お金がかかります。
上記をデメリットと取るか、キャリアアップの為の投資と思うかは、それぞれで異なるでしょうが、大きな費用が掛かります。
しかし、国も本腰を入れて教育育成を行っていく方向で動いています。
専門看護師の場合、看護や医療福祉全体に携わりたいとか、看護分野の講師や教員など、教育指導の役割を担いたいと思える看護師には、違うキャリアを目指すきっかけになる資格だと考えます。
一方で、認定看護師の場合だと、現場主義だと思いますので、得意な分野を追求して、その道で主任や師長などの管理職を目指す看護師向けの資格ではないかと考えます。
専門看護師、認定看護師で転職を考えている方向け
上記でも記述しましたが、給料は医療機関毎に異なります。専門看護師だから、特定看護師だからといっても必要とされていなければ、手当も昇給もありません。専門学校を卒業した看護師と同等ということも珍しくはありません。
しかし、近年では、専門の教育を受けた看護師が「いる・いない」、専門の教育を受けた看護師に「よる行為」などで診療報酬に加算が付くようになってきています。
術後疼痛管理チーム加算
重症患者対応体制強化加算
重症患者搬送加算
専門管理加算
療養生活継続支援加算
栄養サポートチーム加算、摂食嚥下機能回復体制加算
機能強化型訪問看護管理療養費
両者の資格は、必要とされるところでは有効ということになります。国立病院機構や特定科を主体にしている医療法人などが、手当を支給している率が高いと聞きます。
看護師資格では一般的になりつつありますので、紹介会社経由で転職活動をすると、この手の情報も所有していると思われます。