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専門看護師と認定看護師の違いとは?資格・役割・メリットを解説

看護師
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看護師さん
看護師さん

「最近、専門看護師と認定看護師の違いについて聞かれることが多いんですが、正直、自分も説明が難しくて…

管理人
管理人

確かに、どちらも専門性の高い資格だけど、役割や求められるスキルには違いがあるね

看護師さん
看護師さん

「専門看護師は大学院を出ないといけないって聞いたことがありますが、それ以外はどう違うんでしょう?

管理人
管理人

「例えば、専門看護師は教育や研究にも関わることが多いけど、認定看護師は臨床現場で即戦力として活躍することが多いよ

看護師さん
看護師さん

なるほど…でも、どっちを目指すのがいいのか、自分にはまだピンとこないです

管理人
管理人

「じゃあ、それぞれの違いやメリットを詳しく整理してみようか。自分に合った道を選びやすくなるはずだよ!

看護の専門性が求められる現代において、専門看護師(CNS)と認定看護師(CN)は、質の高い医療を提供するために重要な役割を担っている。しかし、両者の違いは一見すると分かりにくく、キャリアの選択に迷う看護師も多い。本資料では、専門看護師と認定看護師の資格要件・対象分野・役割・メリット・キャリアパスなどを比較し、それぞれの特性を明確にする。自身の目指す看護の方向性に応じた選択ができるよう、具体的な情報を提供する。

下記は、専門看護師と認定看護師の違いに関する資料であり、この2つの違いが、いまいちわかりにくいという指摘がありますので、ここで両者の違いに関して記述する。

  • 専門看護師と認定看護師の資格要件や取得方法の違い
  • 両者の役割や活躍の場の違い
  • 専門看護師と認定看護師のメリット・デメリット
  • どちらの資格が自分のキャリアに適しているかの判断基準
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専門看護師、認定看護師の大きな違いについて

先ずは、下記資料をご覧ください。

専門看護師は14の特定分野、認定看護師は19の特定分野が対象となっています。認定看護師は、A課程(特定行為研修なし)が2026年度で終了し、B課程のみに限定されます。特定分野も現在の21分野から19分野に統合されます。これから記述する内容は、認定看護師がB過程のみ限定で記述していきますので、ご了承ください。

専門看護師の特定分野

急性・重症患者看護、慢性疾患看護、感染症看護、放射線看護、がん看護、精神看護、老人看護、小児看護、在宅看護、母性看護、遺伝看護、家族支援、地域看護、災害看護

認定看護師の特定分野

クリティカルケア、緩和ケア、がん薬物療法看護、生殖看護、腎不全看護、摂食嚥下障害看護、小児プライマリケア、脳卒中看護、呼吸器疾患看護、心不全看護、在宅ケア、皮膚・排泄ケア、感染管理、糖尿病看護、新生児集中ケア、手術看護、乳がん看護、認知症看護、がん放射線療法看護


専門看護師より、認定看護師の方が、学ぶ内容がより細分化されています。

 

特定看護師は、5年以上の実務経験(専門分野で3年以上の経験)を積んでいる看護師が、特定の看護分野において看護技術と知識を勉強し、最終的に日本看護協会の認定を受けた看護師を指します。細分化された分野で、より特化された知識・技術を習得して看護業務を実施することが目的です。看護者に対する直接的な指導や相談を行い、看護ケアの質を向上させる目的の看護師資格です。

一方で、専門看護師は、5年以上の実務経験(専門分野で3年以上の経験)は一緒ですが、大学院修士課程修了が前提となます。求められている役割には、認定看護師に「倫理調整、教育、研究」が追加されていて、看護者への教育や看護に関する研究も行います。よって、幅広い視点から看護業務全体の質を向上させるのが大きな目的となっています。取得後に現場で働くというよりも、看護学校や大学などの教育・研究機関に務める人の割合が多いというのが特徴です。

特定看護師も認定看護師も共に、最終の認定審査に合格すれば、一定の安全管理体制の下、医師の具体的指示を受けて特定行為の実施が可能となります。

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専門看護師、認定看護師になるメリット

これは、一言で言えば、キャリア・スキルアップです。

給料の面での昇給や手当を良く聞かれますが、基本的には、属している医療機関によって様々であるとしてしか言いようがありません。専門分野の科を有する医療機関であり、特定分野の看護師を必要としているところであれば、手当支給、昇給なども検討しているところはあると思います。しかし、多くの医療機関、個人開設のクリニックなど、大半とは言えない、ごく限られた医療機関のみという状況です。

看護師も今は大卒が一般的ですので、専門看護師であれば、さらに大学院に2年通う必要があります。特定看護師も専門の教育機関にて1年程、教育と研修を受けるようになります。共に大体ざっくりですが、200万円程お金がかかります。これをデメリットと取るか、キャリアアップの為の投資と思うかは、それぞれで異なるでしょうが、大きな費用が掛かります。

しかし、国も本腰を入れて教育育成を行っていく方向で動いています。

専門看護師の場合、看護や医療福祉全体に携わりたいとか、看護分野の講師や教員など、教育指導の役割を担いたいと思える看護師には、違うキャリアを目指すきっかけになる資格だと考えます。

一方で、認定看護師の場合だと、現場主義だと思いますので、得意な分野を追求して、その道で主任や師長などの管理職を目指す看護師向けの資格ではないかと考えます。

専門看護師(CNS)と認定看護師(CN)には、それぞれ異なる役割とメリットがあります。以下に、両者の違いとメリットを整理します。

1. 専門看護師と認定看護師の基本的な違い

項目 専門看護師(CNS) 認定看護師(CN)
役割 医療チームのリーダーとして多職種と連携し、臨床実践・教育・研究・管理・倫理調整を担う ある特定の分野で高度な看護技術を用いた実践者として活躍
対象領域 がん看護、精神看護、地域看護、老人看護など14分野 急性期、慢性期、在宅、感染管理など21分野(2026年19分野)
資格要件 修士課程修了が必須 実務経験5年以上(うち3年以上は専門分野の経験)
主な活動場所 大学病院・基幹病院・教育機関など 一般病院・訪問看護ステーション・介護施設など

2. 専門看護師(CNS)になるメリット

高度な専門知識と多角的な役割

専門看護師は、臨床にとどまらず、教育・研究・管理・倫理調整の役割も担うため、看護の質向上に貢献できます。特に、大学病院や大規模医療機関で、医療チームのリーダーとしての役割を果たすことが期待されています。

キャリアの多様性と社会的評価

修士号が必須となるため、大学教員や行政機関でのキャリアパスが広がります。また、政策立案や研究にも関与できるため、看護業界全体に影響を与える立場に立つことも可能です。

医療の質向上とアウトカムの改善

海外では、CNSが関与することで、患者の合併症発生率の低下や平均在院日数の短縮といった成果が報告されていますが、日本での報告はまだありません。専門看護師(CNS)の関与が患者の合併症発生率の低下や平均在院日数の短縮に寄与する可能性を示唆する研究は存在します。以下に関連する文献をいくつかご紹介します。​

  1. Impact of Clinical Nurse Specialists on Patient Outcomes in Acute Care Settings: A Systematic Review
    この系統的レビューでは、急性期医療環境におけるCNSの介入が患者のアウトカムに与える影響を評価しています。結果として、CNSの関与が患者の合併症の減少や在院日数の短縮に寄与する可能性が示唆されています。

  2. The Effectiveness of Clinical Nurse Specialist-Led Care in Heart Failure: A Systematic Review and Meta-Analysis
    心不全患者に対するCNS主導のケアの効果を評価したこのメタアナリシスでは、再入院率の低下や生活の質の向上が報告されています。

これらの研究は、CNSの関与が患者のアウトカム改善に寄与する可能性を示していますが、具体的な効果は医療環境や患者の状態によって異なる場合があります。また、日本国内での研究は限られているため、今後の研究が期待されます。

なお、具体的な文献をお探しの場合は、医療系の学術データベース(例えば、PubMedなど)で「Clinical Nurse Specialist outcomes」や「CNS impact on patient complications and length of stay」といったキーワードで検索すると、関連する研究を見つけることができるかもしれません。

3. 認定看護師(CN)になるメリット

臨床現場での即戦力

認定看護師は、主に臨床現場での高度な実践スキルを活かし、患者に直接関わることが多いです。看護手技のスペシャリストとして、救急、緩和ケア、感染管理などの現場で即戦力として活躍できます。

資格取得のハードルが低め

専門看護師に比べて、修士号の取得が不要であり、実務経験があれば比較的短期間で資格取得が可能です。そのため、より多くの看護師が専門性を高める機会を得やすいというメリットがあります。

病院内での指導的役割

認定看護師は、後輩や同僚の指導役を担うことが多く、現場の教育者としての役割も期待されています。院内研修を企画・実施し、看護の質を向上させることができます。

4. どちらを目指すべきか?

  • リーダーシップを発揮し、教育・研究・政策にも関与したい → 専門看護師(CNS)
  • 現場での専門技術を活かし、患者に直接貢献したい → 認定看護師(CN)

5. 給与・待遇の違い

項目 専門看護師(CNS) 認定看護師(CN)
初任給 一般看護師と大差なし 一般看護師と大差なし
昇給・手当 高度専門職手当がつく場合あり 認定看護師手当がつく場合あり
キャリアパス 大学教員、管理職、政策提言 臨床のスペシャリスト、教育担当

専門看護師は修士号が必要な分、キャリアパスが多様で、長期的に見れば収入面の向上が期待できます。一方、認定看護師は即戦力としての役割が強く、資格取得のハードルが低いため、多くの看護師にとって取り組みやすい資格です。

6. まとめ

項目 専門看護師(CNS) 認定看護師(CN)
求められるスキル リーダーシップ、教育、研究、倫理調整 高度な看護技術、臨床での即戦力
活躍の場 大学病院、基幹病院、教育機関 一般病院、訪問看護、在宅医療
メリット 医療政策や教育分野にも関与可能 すぐに現場で活躍できる
ハードル 修士課程修了が必須 実務経験5年以上で取得可能

どちらの資格も看護の質向上に貢献する重要な役割を担っています。キャリアの方向性や興味に応じて、自分に合った資格を目指すことが大切です。

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専門看護師、認定看護師で転職を考えている方向け

上記でも記述しましたが、給料は医療機関毎に異なります。専門看護師だから、特定看護師だからといっても必要とされていなければ、手当も昇給もありません。専門学校を卒業した看護師と同等ということも珍しくはありません。

しかし、近年では、専門の教育を受けた看護師が「いる・いない」、専門の教育を受けた看護師に「よる行為」などで診療報酬に加算が付くようになってきています。

術後疼痛管理チーム加算
重症患者対応体制強化加算
重症患者搬送加算
専門管理加算
療養生活継続支援加算
栄養サポートチーム加算、摂食嚥下機能回復体制加算
機能強化型訪問看護管理療養費

両者の資格は、必要とされるところでは有効ということになります。国立病院機構や特定科を主体にしている医療法人などが、手当を支給している率が高いと聞きます。

看護師資格では一般的になりつつありますので、紹介会社経由で転職活動をすると、この手の情報も所有していると思われます。

専門看護師と認定看護師の違いの総括

  • 専門看護師は14分野、認定看護師は19分野で構成される
  • 認定看護師は2026年からB課程のみとなり、特定分野が統合される
  • 専門看護師は修士課程修了が必須であり、高度な教育を受ける
  • 認定看護師は実務経験5年以上で取得可能であり、比較的取得しやすい
  • 専門看護師は臨床だけでなく、教育・研究・管理・倫理調整を担う
  • 認定看護師は臨床のスペシャリストとして、即戦力となる
  • 専門看護師は大学病院や教育機関での活動が多い
  • 認定看護師は一般病院や訪問看護ステーションなど現場で活躍する
  • 専門看護師は医療チームのリーダーとしての役割を果たす
  • 認定看護師は特定の分野で高度な看護技術を実践する
  • 給与や手当は医療機関ごとに異なり、一概には言えない
  • 診療報酬加算の対象となる分野があり、資格の有無で評価が変わる
  • 専門看護師は教育や政策立案にも関与する機会がある
  • 認定看護師は特定の疾患や症状に特化し、患者に直接貢献する
  • 資格取得には費用がかかり、キャリアアップのための投資が必要