結論的には、医師、正看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士などが、今もっとも勢いのある医療資格であることは間違いありません。
なぜか?
簡単に言えば、病院やクリニックも当然ながら、訪問看護ステーションや薬局、医療企業など、医療機関以外でも需要がある職種ということです。
臨床検査技師などもアウトソーシング業者がありますが、実際には機器で自動で出来る作業ですので、そこまで需要があるとは言えません。病理検査が出来る技師であれば、需要が一般の検査技師以上にあるとは思います。
看護補助者も需要はありますが、給料面で介護に大きく引き離されていて、需要だけあるという状態です。看護補助をするのであれば、老人ホームで介護をした方が、給料が高いという人も多くなってきている現状です。
医療事務も同様に給料が低く、一昔前のように医療だから人気という勢いはありません。物価高などを受けて、一般企業へ流れている傾向もあります。
医療分野は、普遍的に需要がある業種であり、人気は人気なのですが、資格や職種によっては、需要がないということもあります。求人を出す場合、出来る限りの範囲で賃金を上げてはいるのですが、一般企業の賃上げには到底追い付いていない医療業界の悩みもあります。
国家資格で言うと、診療放射線技師や臨床工学技士、視能訓練士などは転職に苦戦している現状はあります。言語聴覚士は、一見需要がありそうな資格ですが、元々医療機関側の枠も少なく、募集人数が限られているという現状もあります。退職者がいたら募集するといったのが一般的で、新規の入職も難しい状況です。これは、臨床心理士や管理栄養士なども一緒に思えます。
当面、高齢化社会の進展に伴い、医療ニーズが増加していくでしょう。高齢者が増えることで、慢性疾患や認知症などの治療やケアの需要が増え、まだまだ、医師や看護師の需要が高まることが予想されます。
また、ライフスタイルの変化や疾病パターンの変化により、新たな医療ニーズが生まれる可能性もあります。例えば、生活習慣病や精神疾患などの患者数が増加することが予想され、これに対応するために医師や看護師は、今以上の需要になる可能性があります。
さらに、医療技術や治療方法の進歩により、医療の複雑さが増し、それに対応する高度な専門知識やスキルを持った医師や看護師の需要が増える可能性もあります。例えば、がん治療や遺伝子治療などの分野で、専門知識を持った医師や看護師が求められるでしょう。
一方で、労働環境や人材の確保などの課題も存在します。特に地方や地域医療の拠点での人材確保が課題となる可能性があります。また、医師や看護師の働き方改革や労働条件の改善が求められることもあります。
総じて言えることは、2025年以降も医師や看護師の需要は高いと予想されますが、それに対応するためには、教育体制の強化や働き方の改革などが必要であると考えられます。