大卒看護師もったいない？年収や昇進で変わる4つの現実

看護師さん

私、大卒で看護師になったんですけど、最近すごく思うんですよ…大卒看護師って、もったいなくないですか？

管理人

もったいないって、どういうことですか？

看護師さん

専門卒の人と仕事も待遇もほとんど変わらないし、学費も時間もかけたのに…って、モヤモヤしてて。

管理人

なるほど…。確かに現場では学歴より経験が重視されがちですもんね。

看護師さん

だったら、あの4年間って何だったんだろうって思っちゃいます。

管理人

その気持ち、よくわかります。でも、大卒だからこそ選べる道もあるんですよ。

看護師さん

えっ、そうなんですか？私、知らなかったかも…

看護師として働く中で、「大卒看護師もったいない」と感じている方もいるのではないでしょうか。4年制大学を卒業し、専門的な知識や理論を学んできたにもかかわらず、現場では専門卒の看護師と同じ仕事内容を任される場面が多く、「自分の学歴が十分に活かされていないのでは」と疑問に思うこともあるかもしれません。

また、転職や働き方を見直すタイミングで、「このまま看護師を続ける意味はあるのか」と悩む人も少なくありません。特に大卒であることが給与やキャリアに反映されにくいと感じたとき、そのモヤモヤはさらに強くなります。

この記事では、「大卒看護師もったいない」と検索する人が本当に知りたい、専門卒との違いやキャリアの活かし方、現場での評価や将来の選択肢についてわかりやすく解説していきます。あなたが積み上げてきた努力を「もったいない」と感じないために、知っておくべきポイントを整理していきましょう。

大卒と専門卒の看護師の違いと現場での評価
転職時に重視されるポイントと採用側の視点
学歴による生涯賃金やキャリアへの影響
専門卒でも後悔しない働き方と昇進の可能性

目次•監修

大卒看護師もったいないと感じる理由とは
大卒看護師もったいないと思わない選択

大卒看護師もったいないと感じる理由とは

大卒看護師と専門卒看護師の違い
看護師大卒と専門卒採用側としてはどちらが良いのか？
看護師大卒専門卒生涯賃金の差
看護師専門学校卒が多い理由

大卒看護師と専門卒看護師の違い

転職を考える看護師にとって、「大卒」と「専門卒」の違いがどのように現場で影響するのか、そして今後のキャリアにどう関わるのかは重要な視点です。

まず、実際の臨床現場においては、学歴よりも経験値や対人スキル、判断力が重視される傾向があります。そのため、転職時に「大卒か専門卒か」という点だけで大きく待遇に差がつくことは少ないのが実情です。採用側としては、即戦力として動けるかどうかを見ているケースが多いです。

ただ、現場での役割やその後のキャリアに目を向けると、違いが見えてきます。例えば、看護師長や主任といった管理職を目指す場合、大学で学んだマネジメント知識や理論背景が評価されることがあります。大学では、医療制度、看護研究、組織運営なども学ぶため、現場の中で一歩上の視点を持ちやすい傾向があります。

一方、専門卒の看護師は実践重視の教育を受けてきた分、現場力に強みがあります。とくに、転職で急性期病棟や救急対応など、即戦力が求められる職場に応募する場合は、その経験と技術が高く評価されることがあります。

このように、転職市場では「どちらが上か」ではなく、「今後どのような看護師として働きたいか」が問われます。もし教育・指導や管理的な立場に進みたいと考えているなら、大卒の知識や資格が後押しになるかもしれません。逆に、現場で手応えを感じながらキャリアを積みたい方には、専門卒の強みがそのまま武器になる場面もあります。

今後の可能性を広げたいなら、学歴に加えて「どんな現場で、どんな経験を積んできたか」を棚卸しし、自分にとって最適な方向を明確にすることが、転職成功への第一歩です。

看護師大卒と専門卒採用側としてはどっちが良いのか？

採用担当者の視点では、「大卒か専門卒か」だけで採用を決めることはほとんどありません。重要視されるのは、その人が現場でどのように貢献できるか、どんな経験やスキルを持っているかという点です。

ただし、配属先や組織の方針によって、求められる人材像は変わってきます。例えば、大学病院や総合病院などで研究や教育体制が整っている職場では、理論的な知識や将来的なリーダーシップに期待を込めて大卒看護師を好む傾向があります。大学で学ぶマネジメントや看護研究に関する知識が、チーム運営や教育係としての役割に生きるからです。

一方、慢性期病棟やクリニックなど、即戦力が求められる現場では、実習重視で育成されてきた専門卒の看護師が評価されやすい場面もあります。実際、現場経験の豊富さや柔軟な対応力を持つ専門卒の方が「安心して任せられる」という声も少なくありません。

採用側の立場では、以下のようなポイントで判断されることが多くあります。

臨床経験の豊富さと応用力
コミュニケーション能力や協調性
今後の成長性やキャリアの方向性
組織との相性

このため、転職活動をする際には、自身の学歴だけでなく、「どのような経験を積んできたのか」「職場でどう貢献できるのか」を具体的にアピールすることが効果的です。つまり、学歴以上に重視されるのは、あなた自身の“現場での価値”です。採用担当者は、現実的で具体的な貢献をイメージできる人材を求めています。

看護師大卒専門卒生涯賃金の差

看護師として働くうえで、大卒と専門卒の間には生涯賃金に差が出る可能性はあります。ただし、その差は一概に「学歴だけ」で決まるものではなく、勤務先や働き方によって大きく変動します。一般的に、大卒看護師は4年制大学を卒業して就職するため、社会人としてのスタートは専門卒より1年遅くなります。そのため初任給や勤続年数で考えると、専門卒の方が早く収入を得始めるという見方もできます。

公務員の場合は、初任給から学歴で差が生まれます。また、下記の場合は、大卒の方が生涯賃金が高くなる可能性があります。

大学病院や研究機関など、基本給が高い職場に就職した場合
管理職や教育職に進み、役職手当や昇給が見込める場合
保健師や養護教諭など、看護師以外の資格を活かして働いた場合

一方で、専門卒でも以下のような働き方で高収入を得ることは十分に可能です。

夜勤や残業が多い急性期病棟での勤務を長く続ける
訪問看護や外資系医療機関など、高単価の現場で働く

このように、生涯賃金の差は学歴だけでなく、どの職場でどのように働いていくかによって大きく変わります。むしろ、将来を見据えて自分に合ったキャリア設計をすることのほうが、安定した収入や満足度につながるといえるでしょう。

看護師専門学校卒が多い理由

現在も多くの現場で、看護師の多くが専門学校出身です。2021年時点ですが、日本看護協会による「2021年看護職員実態調査」で専門卒が52.2%、大卒が18.5%という割合だそうです。もちろん、毎年増え続けていることと想定しています。

看護師の多くが専門学校出身という背景は、いくつかの現実的な理由があります。まず、専門学校は3年間で看護師国家試験の受験資格を得られるため、早く現場に出て働きたいと考える人にとって効率的な進路です。とくに学費や生活費を抑えたい家庭では、1年でも早く就職して収入を得たいというニーズがあります。

また、専門学校のカリキュラムは実習中心で、即戦力として現場で役立つスキルに重点を置いています。このため、実践的な学びを求める学生にとっては非常に魅力的な環境といえます。他にも以下のような要因があります。

看護師を目指す高校生向けの情報提供が、専門学校寄りであることが多い
地域に大学よりも専門学校の方が多く、進学の選択肢が限られている
家族や周囲の看護師に専門卒が多く、自然と進学先が専門学校になる
看護師＝専門学校というイメージが根強く残っている

このように、専門学校は「早く・確実に・実践的に」看護師になれる手段として、多くの人に選ばれています。もちろん近年は大学進学率の上昇とともに、大卒看護師も増えていますが、今も現場の中核を担っているのは専門卒であることが多いのが現実です。

大卒看護師もったいないと思わない選択

専門卒看護師年収の実情
看護師専門卒後悔しないために
専門卒看護師使えないは本当か？
キャリアに有利なのはどっち？
学歴より経験が重視される現場
看護師専門学校卒でも昇進は可能？
大卒と専門卒で仕事内容に違いは？

専門卒看護師年収の実情

専門学校を卒業した看護師の年収は、学歴による差よりも勤務先や働き方によって大きく変わります。大卒との基本給の違いはあるものの、現場では実績や夜勤の有無が収入に直結するため、必ずしも大卒が高収入になるとは限りません。例えば、以下のような条件が年収に影響します。

病院の規模や地域による給与差
夜勤手当や時間外労働の有無経験年数に応じた昇給制度の有無
公務員看護師（市立病院など）か民間か

特に急性期病院や夜勤が多い病棟で働く場合、専門卒であっても年収500万円以上を目指すことは十分に可能です。一方で、クリニック勤務や日勤のみの職場では、大卒であっても年収は下がることがあります。

看護師専門卒後悔しないために

専門卒として看護師になったあと、「大卒のほうがよかったのでは？」と感じる場面が出てくることがあります。後々の後悔のようなものです。ただ、それは専門卒であることが原因というよりも、キャリア形成に対する準備不足や情報不足が要因になっているケースが多いです。

たとえば、看護管理や教育係を任されたときに、マネジメントや理論的知識の不足を感じて不安になる人もいます。また、保健師や助産師など別の資格へ進もうとした際に、専門卒では一部進路が制限されることに気づいて悩むこともあります。とはいえ、専門卒で後悔しない人もたくさんいます。彼らは、自分の目指す働き方を明確にし、そのための努力を続けています。現場での経験を積み重ねたり、認定看護師などの専門資格を取得したりすることで、自信を深めているのです。なかには、働きながら通信制大学に編入し、キャリアの幅を広げている人もいます。

専門卒であることに引け目を感じる必要はありません。大切なのは、環境に応じて柔軟に学び直し、目標に向かって進み続ける姿勢です。私はそう思っています。

専門卒看護師使えないは本当か？

「専門卒の看護師は使えない」という声を聞いたことがあるかもしれませんが、それは一面的な意見にすぎません。実際、専門卒の看護師が現場の主力として活躍しているケースは非常に多く、経験やスキル次第で十分に信頼される存在になれます。このような評価が生まれる背景には、いくつかの誤解があります。たとえば、即戦力としての動きに戸惑う新人看護師が専門卒だった場合、その印象が「使えない」という言葉にすり替わってしまうことがあります。しかし、同じような不安や失敗は大卒にも起こり得ることです。

むしろ、専門学校では臨床実習に多くの時間が割かれているため、卒業時点での「現場対応力」に関しては専門卒のほうが優れていることもあります。就職後すぐに戦力となれるような教育が組まれていることは、専門学校の大きな特徴です。

また、実際の現場では学歴よりも「人柄」「協調性」「判断力」が重視されることが多いため、学歴にかかわらず評価される看護師になることは十分に可能です。経験を積み、学び続ける姿勢があれば、「使えない」と思われることはありません。専門卒＝使えないという考えは短絡的です。看護の現場では、学歴よりも現場力と実践の積み重ねがものを言います。

キャリアに有利なのはどっち？

看護師としてのキャリアを考えるとき、「大卒が有利か、それとも専門卒か」は多くの人が気にするポイントです。ただし、どちらが有利かは一概に言えず、進みたいキャリアによって答えが変わってきます。

たとえば、将来的に管理職や教育職、保健師などの専門職を目指す場合は、大卒のほうが選択肢が広がる傾向があります。大学では看護理論やマネジメント、研究手法などを深く学ぶ機会があるため、組織内で上のポジションに就きやすくなるケースがあるのです。

一方で、臨床の第一線で経験を積みながらキャリアアップを目指す場合、専門卒でも十分に有利です。現場で培った技術力や対応力は評価されやすく、認定看護師や専門看護師といった資格取得によって専門性を高める道もあります。

つまり、「どちらが有利か」はあなたが目指す方向性により異なります。看護師として何を大事にしたいか、どのような働き方をしたいかを明確にすることが、最適なキャリア選択につながります。

学歴より経験が重視される現場

看護師の現場では、学歴よりも「何をしてきたか」「どのように患者と関わってきたか」といった経験のほうが評価されやすい傾向にあります。特に多忙な病棟や、判断力・柔軟性が求められる場面では、実際に現場で身につけたスキルが重要視されます。これは、知識や理論だけでは対応しきれない状況が多く存在するためです。患者の急変対応、医師との連携、家族とのコミュニケーションなど、どれも現場での積み重ねがものを言います。

新人時代にどれだけ丁寧に指導を受け、どう実践してきたか、またそこからどんな学びを得てきたかが、日々の看護に大きく影響します。そして、その経験がそのまま周囲からの信頼や役割に反映されていきます。

もちろん、学歴がまったく無関係というわけではありませんが、たとえ専門卒であっても、現場で頼られる存在になっている看護師はたくさんいます。反対に、大卒であっても経験が乏しければ、任される仕事が限られることもあります。

看護師専門学校卒でも昇進は可能？

専門学校を卒業した看護師でも、昇進のチャンスは十分にあります。現場での実績や周囲からの信頼が積み重なれば、主任や看護師長といったポジションに就くことは珍しくありません。

実際、多くの病院では昇進において学歴だけで判断することは少なく、「リーダーとしての適性があるか」「業務を安定してこなしているか」といった日頃の姿勢や能力が重視されます。専門卒で昇進している人には、共通して次のような特徴が見られます。

日々の業務に責任感を持ち、後輩への指導にも積極的
チーム全体の動きを把握し、報告・連絡・相談が適切にできる
新しい知識を自ら学び、変化にも柔軟に対応できる

このような働き方を積み重ねていけば、学歴に関係なく昇進の道は開かれます。加えて、認定看護師や専門看護師といった資格を取得することで、さらにキャリアを広げることも可能です。

つまり、専門卒だからといって昇進に不利というわけではありません。むしろ、現場で信頼される存在になれれば、自然と上のポジションを任されるようになります。重要なのは、自分の強みを活かして地道に実績を積み重ねることです。

大卒と専門卒で仕事内容に違いは？

看護師として働くうえで、大卒と専門卒の間に大きな仕事内容の差は基本的にありません。どちらも看護師国家試験に合格し、同じ資格を持っているため、業務内容はほぼ共通しています。病棟での看護業務、患者対応、記録、処置の補助など、日々の仕事は同じです。

しかし、細かいところで違いが出てくるケースもあります。たとえば、教育や研究に力を入れている病院では、大卒看護師に看護研究や委員会活動を任せることが多い傾向があります。大学で研究手法や理論を学んでいるため、そうした役割に適していると判断されるためです。

また、大卒看護師は保健師や養護教諭などの資格を持っている場合もあり、職場によってはそのスキルを活かせる業務に就く可能性もあります。教育担当や新人指導といったポジションに抜てきされるのも、大卒に多い傾向です。

一方、専門卒の看護師は実践的な教育を受けている分、現場での動きが早く、患者対応や処置の手際が良いと評価されることがあります。そのため、入職当初は実務の面で即戦力として活躍できる場面もあります。

このように、業務の「基本」は同じでも、病院の方針や本人の適性によって担当業務に差が出ることはあります。ただし、それは学歴だけで決まるわけではなく、経験・人柄・積極性などの要素も大きく影響します。結果として、仕事の中身よりも、現場でどんな役割を担い、どんな働き方をしているかがその人の評価につながります。大卒か専門卒かに関係なく、自分の得意分野を活かすことが看護師としての成長に直結します。