
訪問看護、頑張ったんですけど…やっぱり私には合わなかったかもです

そうだったんですね。差し支えなければ、どんなところがつらかったですか?

一人で訪問するのがプレッシャーで、毎回お腹が痛くなってました…

実は、そう感じている人って本当に多いんですよ

でも、私がダメなだけなのかなって思ってました

そんなことありません。“向いてなかった”と感じるのは、ごく自然なことです

そうなんですね…。少し気がラクになりました
「訪問看護 合わなかった」と検索しているあなたは、もしかすると今、少し心が疲れているのかもしれません。期待して飛び込んだ訪問看護の現場で、「思っていたのと違う」「自分には向いていないかも」と感じているのではないでしょうか。
本記事では、訪問看護が合わなかったと感じる理由を整理しながら、その経験を否定せず、次の働き方を前向きに考えるヒントをお伝えしていきます。自分を責める必要はありません。大切なのは「合わなかった」と気づけた今、このあとどんな選択をするかです。
この記事を読むことで、「訪問看護が向いていないと感じた理由」「同じ悩みを抱える看護師の声」「無理をしない働き方」などがきっと見つかるはずです。少しだけ心をラクにして、読み進めてみてください。
-
訪問看護が合わないと感じる具体的な理由
-
他の看護師も同じように悩んでいるという事実
-
訪問看護以外にも働き方の選択肢があること
-
合わなかった経験を前向きに活かせる考え方
訪問看護が合わなかったと感じる理由とは?
- 一人での訪問がプレッシャーに感じた
- 緊急対応やオンコールが精神的につらい
- 病院勤務と違う責任の重さに戸惑った
- 人間関係やフォロー体制に不満があった
- 業務量や記録の多さで疲弊した
一人での訪問がプレッシャーに感じた
結論から言えば、訪問看護が合わなかった理由として「一人での訪問が精神的な負担だった」という声は少なくありません。
その理由は、訪問看護は基本的に看護師が一人でご利用者さまのご自宅を訪問し、判断・対応を行うスタイルだからです。同行訪問やチームサポートがあったとしても、現場での最終的な判断は自分に委ねられる場面が多くあります。特に、急な症状変化や、対応方法に迷うようなケースが起きた場合、自信が持てず不安になってしまう人もいます。
例えば、訪問先で呼吸状態が悪化している利用者に遭遇した際、医師や他のスタッフとすぐに連携が取れないことがあります。経験年数や分野によっては、こうした場面で強いストレスを感じる方もいるでしょう。病院のようにすぐに誰かに相談できる環境とは異なり、現場での瞬時の判断力が求められるため、合わないと感じるのも無理はありません。
緊急対応やオンコールが精神的につらい
訪問看護が合わなかったと感じた理由として、オンコールや緊急対応のつらさを挙げる方はとても多いです。
これは、実際に現場を経験した人にしか分からない、独特のストレスがあるからです。
オンコールの日は、自宅にいてもどこか落ち着かず、「今鳴るかもしれない」と常に気を張った状態になります。眠っていても、着信音に神経が過敏になり、深い眠りにつけない。休日でも外出を控え、スマホが片時も手放せない。そうした状態が積み重なると、休んでいるはずの時間まで仕事に縛られているような感覚になります。
実際、「オンコールのある週は心が休まらない」「前の日からずっと緊張している」「コールが鳴る夢を見た」という声も珍しくありません。責任感がある人ほど、「もし何かあったら」「ちゃんと対応できるだろうか」と、考えすぎてしまうのです。それでも現場では、冷静に、迅速に判断しなければなりません。そのギャップに苦しむ方もいます。
さらに、訪問看護のオンコール対応には明確な基準がなく、ステーションごとに体制が大きく異なります。スタッフ数が少ない場合、当番が偏りやすく、1人あたりの負担が重くなることもあります。「また今週も私?」「断りたいけど断れない」──そんな思いを抱えながら、頑張り続けるうちに限界を迎えてしまう人も少なくありません。
オンコールが苦痛であることは、決して「甘え」ではありません。看護師として真剣に向き合っているからこそ、不安や責任の重さに押しつぶされそうになるのです。その気持ちは、とても自然なことです。
病院勤務と違う責任の重さに戸惑った
訪問看護に転職した後、「こんなに責任が重いなんて思わなかった」と感じる看護師は少なくありません。
それは、訪問看護の現場が、病院とはまったく違う“判断と行動の現場”だからです。
病院では、医師や他のスタッフと連携しながら、決められた指示や手順に沿って看護を行うのが基本です。万が一、状態に変化があっても、すぐに助けを求められる環境があります。しかし、訪問看護では、看護師が一人で利用者の自宅に伺い、その場で状況を見て判断し、必要であれば医師に連絡しながら対応する必要があります。
このような現場では、判断ミスが命に関わる場合もあり、「私に本当にこの判断ができるのだろうか」「この対応で正しかったのだろうか」と、自信を失いかけることもあるでしょう。たとえ経験があっても、訪問先での突発的な出来事には戸惑うものです。さらに、家族対応や在宅特有の文化・価値観に直面し、精神的に追い詰められてしまう方もいます。
例えば、急な熱発で訪問時に家族から「どうにかしてほしい」と詰め寄られたとき、医療的な対応だけでなく、感情的なサポートまで求められるケースもあります。その瞬間、自分が一人きりで背負っていることに強いプレッシャーを感じる人も多いのです。

前述の通り、病院とは異なり、訪問看護では「決められたマニュアル」が通用しない場面が多くあります。その中で、看護師としての“総合力”が求められるのは事実です。
しかし、すべての看護師がその環境に適応できるとは限りません。責任が重すぎると感じたとき、それは「自分がダメだから」ではなく、「フィールドが違っただけ」と考えてみてください。自分に合った環境で、自分らしく働くことの方が、ずっと大切です。
看護師の仕事は、病院だけでも、訪問だけでもありません。選択肢はたくさんあります。必要なのは、“責任の重さ”に耐えることではなく、自分が自然に力を発揮できる場所を見つけることです。
人間関係やフォロー体制に不満があった
訪問看護が合わなかったと感じる理由のひとつに、「職場の人間関係がつらかった」「サポート体制が整っていなかった」という声があります。本当によく聞きます。これは、仕事そのものではなく、“環境”が原因でつまずいてしまうケースです。
訪問看護の現場では、基本的に一人で訪問するスタイルのため、日々の業務中に同僚と直接話す時間は限られています。そのため、ちょっとした悩みや迷いをすぐに共有できず、孤独感や疎外感を抱えてしまうことがあります。
例えば、「初めてのケースで不安だったけど、忙しそうで誰にも相談できなかった」「記録が間違っていたと言われたけど、どうすればよかったのか教えてもらえなかった」といった経験が重なると、自分の存在が軽視されているように感じてしまうこともあるでしょう。
さらに、ステーションによっては、新人教育やフォロー体制が形式的で

分からないことは聞いてね
と言われても、実際には聞ける雰囲気がない、という職場も存在します。
言ってしまえば “自己責任”の空気が強すぎる環境
経験があっても心が折れてしまうのです。
一方で、訪問看護の世界では「人間関係が楽そう」「干渉が少なそう」といったイメージで転職する方も多いため、実際に働いてみて「むしろ孤独だった」とギャップを感じる人もいます。
前述の通り、業務の特性上、個人プレーが多くなりがちですが、それでも支え合えるチームでなければ、続けるのは難しいと感じるのは当然のことです。そのため、「人が合わなかった」「仕組みがなかった」と感じたなら、その選択が間違いだったのではなく、環境があなたに合っていなかっただけなのです。
看護師としてのスキルや姿勢を否定する必要はありません。今度は、「人」「チーム」「仕組み」が整った職場を選ぶことで、きっとまた、自信を取り戻せるはずです。
業務量や記録の多さで疲弊した
訪問看護の仕事は、「時間に余裕がありそう」「ゆったりとケアができそう」と思われることもありますが、実際には想像以上に忙しく、気がつけば業務と記録に追われていたという声がよく聞かれます。
この理由として、訪問看護では1日に複数のご利用者宅を回るスケジュールが基本であり、その合間に移動や電話連絡、医師・ケアマネジャーとの調整も発生します。加えて、訪問後には細かい記録や報告書の作成があり、これを正確に行う必要があります。1件ごとの業務密度が高いため、たとえ実働時間が短くても、終業後に残って記録を書く日々が続いてしまうこともあるのです。
例えば、午前と午後にそれぞれ3件ずつ訪問し、さらに電話対応と記録をこなすと、それだけで一日がほぼ終わってしまいます。しかも、記録内容は保険請求や医師の指示に関わるため、曖昧に書くことができず、常に正確さと丁寧さが求められます。
このように、訪問看護では「人と向き合う時間」と「書類と向き合う時間」の両方が求められます。記録の多さに圧倒され、「看護がしたくて転職したのに、いつの間にかパソコンに向かってばかり」と感じる方も少なくありません。
また、訪問が時間通りに終わらず、次の訪問先への移動が押してしまうと、焦りが積み重なり、心の余裕もなくなってしまいます。その結果、「業務量がキャパを超えていた」と気づいたときには、心身ともに疲弊していた、というケースもあります。

訪問看護のやりがいは大きいですが、すべての人にその働き方が合うわけではありません。
訪問看護が合わなかったあなたへ。次に考えるべき選択肢
- 病棟看護や外来への“出戻り”も立派な選択
- クリニック・健診センターなど安定した環境も
- 施設看護やデイサービスも“やさしい看護”ができる
- 看護師資格を活かした別職種への転身も
- 今は「少し立ち止まる」選択もOK
病棟看護や外来への“出戻り”も立派な選択
訪問看護が合わなかったと感じたとき、「また病棟に戻るのは逃げなのでは」と自分を責めてしまう方がいます。しかし、病棟や外来に戻ることは、決して後退ではありません。それは、自分に合った働き方を取り戻すための“前向きな選択”です。
その理由は、病院には病院ならではの強みと安心感があるからです。例えば、チームで動く環境、すぐに医師に相談できる体制、判断を共有できる仲間の存在など、訪問看護とは違う支えがそこにはあります。一人で背負うのが苦しかった経験がある方にとって、チームプレーのある現場は大きな安心につながります。
実際、訪問看護を経験した後に病棟に戻った看護師の中には、「改めて病棟のありがたみを感じた」「やっぱり仲間と一緒に動ける環境が自分には合っていた」と話す方もいます。訪問で身につけた判断力やコミュニケーション力が、病院の現場でプラスに働くことも少なくありません。
また、外来勤務であれば夜勤がなく、生活リズムも安定しやすいため、家庭との両立を考える方にも向いています。決まった時間に終わる働き方は、心にも体にも余裕をもたらしてくれます。
訪問看護を経験したからこそ、見えてくることもあります。その上で「やっぱり自分には病棟のほうが合っていた」と気づけたのなら、それはとても貴重な発見です。いま一度、病棟や外来での働き方を見直してみるのも、自分らしいキャリアを築く一歩となるはずです。
クリニック・健診センターなど安定した環境も
訪問看護の不規則さやプレッシャーに疲れてしまった方にとって、クリニックや健診センターでの勤務は、心身のバランスを取り戻す選択肢のひとつです。
このような職場の特徴は、何よりも「時間が読みやすい」「業務の範囲が比較的明確」であることです。
朝から夕方までの決まった時間内で仕事が完結するため、家庭やプライベートと両立したい方にとっては、とても働きやすい環境といえます。
例えば、内科クリニックでは問診や採血、処置が中心となり、重症度の高い急変対応が少ないのが一般的です。健診センターでは、ルーチンの健康チェックや検査介助が主となり、対応マニュアルが整備されているため、迷う場面も比較的少ない傾向にあります。
もちろん、忙しい時間帯や患者さんとのコミュニケーションに気を配る場面もありますが、訪問看護のように1人で判断を迫られるシーンは少なく、安心感があります。さらに、チームで動く体制が整っているところが多いため、情報共有やサポートを受けながら働ける点も大きなメリットです。
ただし、職場によっては医師との連携がスムーズでないことや、患者数が多く業務が単調に感じる場合もあるため、実際に職場見学をして雰囲気を確認しておくことが大切です。
訪問看護で「もう一人で抱えきれない」と感じた方にとって、安定した時間と明確な業務内容の中で働けるこれらの環境は、再び看護の楽しさを思い出せるきっかけになるかもしれません。
施設看護やデイサービスも“やさしい看護”ができる
訪問看護の現場で「スピードや判断の連続に疲れてしまった」と感じた方には、施設看護やデイサービスでの勤務が、気持ちにゆとりを持ちながら看護ができる選択肢になるかもしれません。
このような職場では、業務内容や1日の流れがある程度決まっているため、急変対応が少なく、ご利用者と穏やかに向き合える時間を確保しやすいのが特徴です。忙しさのなかでも、誰かの生活をそっと支えるような“やさしい看護”を大切にしたい方に向いています。
例えば、特別養護老人ホームや有料老人ホームでは、入居者の体調を日常的に見守りながら、バイタル測定や服薬管理、軽度の医療処置などを行います。通所型のデイサービスでは、レクリエーションや日常の健康管理を通じて、ご利用者の生活リズムを支える役割も担います。
ただし、施設看護の現場を選ぶ際には、職場の雰囲気やスタッフ体制だけでなく、運営母体の安定性や経営状況も慎重に確認することが重要です。
近年では、介護業界全体の人手不足や運営難によって、スタッフの人数が確保できていなかったり、急な事業縮小が起こる施設も少なくありません。看護師として安心して働き続けるには、労働環境が守られているかどうか、経営面での信頼性があるかどうかを事前にチェックしておく必要があります。
たとえば、事業所の運営会社が大手か地域密着型か、過去の運営実績はどうか、離職率は高くないかなど、応募時にしっかり調べたり、可能であれば面接時に質問しておくと安心です。
このように、施設看護やデイサービスは訪問看護とは違ったやりがいがあり、心の余裕を取り戻せる働き方でもあります。ただ、その穏やかさを長く続けるためには、職場の選び方がとても大切です。

働く環境によっては、看護の楽しさをもう一度感じられる場所になるでしょう。自分に合う施設をじっくり選ぶことが、次の一歩を明るく照らしてくれます。
看護師資格を活かした別職種への転身も
訪問看護が合わなかったと感じたとき、「もう看護そのものが向いていないのかもしれない」と思ってしまうことがあります。しかし、看護師資格は現場だけでなく、さまざまな職種や業界でも強みとして活かせる国家資格です。看護師として働くことだけが、資格の活用法ではありません。
現在、看護師の経験を活かして活躍している人の中には、企業や行政など、医療現場とは異なるフィールドに転職している方もいます。例えば、医療系企業でのヘルスケアアドバイザー、製薬会社の医療情報担当者(MR)、介護施設や福祉業界での教育・指導職、自治体の保健師業務など、看護師としての専門知識や現場経験が評価される場面は意外と多く存在しています。
また、近年では「産業看護師」として企業に勤務し、社員の健康管理やメンタルヘルス支援を行う働き方も注目されています。夜勤がなく、予測できるスケジュールで働けることから、生活の安定を求める方にも人気です。もちろん、医療現場とは業務内容が大きく異なるため、新たな知識やスキルの習得が求められる場合もあります。とはいえ、看護師として身につけた観察力、傾聴力、判断力は、多くの職種で高く評価される資質です。
無理に現場にこだわらず、「今の自分に合った働き方って何だろう」と視野を広げてみることは、これからのキャリアを見つめ直すうえでとても有効です。看護師としての経験は、決して無駄にはなりません。それをどう活かすかは、あなた次第です。

一歩外に出ることで、自分にぴったりの新しい役割が見えてくることもあります。もし訪問看護が合わなかったと感じたのなら、それは“違う自分の可能性に出会うサイン”なのかもしれません。
今は「少し立ち止まる」選択もOK
訪問看護が合わなかったと感じて悩んでいるとき、次の職場をすぐに決めなければと焦ってしまうことがあります。けれど、本当に疲れているときほど、「少し立ち止まる」選択が、これからの自分を大切にする第一歩になることもあります。
例えば、退職後にすぐに転職活動を始めたけれど、面接で本当の気持ちを言葉にできずにうまくいかなかった、という話はよくあります。それは、心と身体がまだ整理できていない状態で、無理に動こうとしているからかもしれません。
今は、一度立ち止まり、自分の気持ちや疲れを見つめ直すことも、とても大切な時間です。短期間でも休養を取ったり、働き方をじっくり考えたり、職業相談を受けてみたりすることで、自分に合った道が自然と見えてくることがあります。
また、立ち止まることに罪悪感を持つ必要はありません。長い看護師人生の中で、少し休むことは悪いことではなく、必要な準備期間です。自分を責めず、「これからどうしたいか」を丁寧に考える時間として活用してみてください。

焦らず、自分のペースで。無理に答えを出す必要はありません。「今は少し休もう」と思えることが、すでに大切な一歩なのです。
訪問看護 合わなかったと感じたときに知っておきたい15のこと
- 一人での判断や対応に強い不安を感じやすい仕事である
- オンコール対応は想像以上に生活への影響が大きい
- チーム支援が薄い職場では孤独感が増す
- 日々の業務に加え記録作業が非常に多い
- 利用者宅ごとの状況判断が求められるため緊張が続く
- 自分の判断が正しいか常に迷いが生じる
- 急な変更や対応に柔軟に動く体力と気力が必要
- 新人研修やサポート体制が整っていない職場も存在する
- 利用者や家族との関係構築に時間と労力がかかる
- 感情労働の要素が強くメンタルケアが必要になる
- 経営状態の不安定な事業所もあるため職場選びが重要
- 病棟やクリニックなど他にも選べる職場は多い
- 看護師資格を活かせる職種は医療現場以外にも存在する
- 少し休んで立ち止まる選択も自己防衛の一つである
- 訪問看護が合わないからといって看護師に不向きではない