看護師の腰痛はなぜ起きる？原因・データ・働き方まで徹底解説！

看護師さん

最近、腰の痛みがひどくて…正直、仕事中もつらいんです。

管理人

それは心配ですね。もしかして、長時間の立ち仕事や介助の影響ですか？

看護師さん

はい。特に夜勤明けとか、体位変換の後が本当にきついです。

管理人

実は、同じように腰痛で悩んでる看護師さんって、すごく多いんですよ。

看護師さん

そうなんですか？みんな我慢してるだけかと思ってました。

管理人

実際、調査でも腰痛の発症率はかなり高いんです。今回はその実態や原因を、データを交えてまとめてみました。

看護師さん

それ、ぜひ知りたいです。今後の働き方のヒントにもなりそうですね！

腰に違和感や痛みを感じながらも、日々の看護業務に追われている方は少なくありません。「看護師　腰痛」と検索しているあなたも、もしかするとすでに腰への不安を抱えているのではないでしょうか。看護の現場では、患者の体位変換や移乗介助など、腰に大きな負担がかかる作業が多く、腰痛を避けることが難しいのが現実です。

この記事では、腰痛を抱える看護師がどれほどいるのか、実際の割合や背景について信頼できるデータをもとに解説します。「看護師腰痛の割合」「看護師腰痛なぜ起こりやすいのか」など、関心の高いキーワードをもとに、現場の実態や原因、そして今後の働き方を考える上でのヒントをお届けします。腰痛と向き合いながら看護師として長く働くために、まずは現状を知るところから始めてみましょう。

看護師に腰痛が起こりやすい具体的な業務内容
腰に負担がかかる職場環境や勤務体制の特徴
腰痛を悪化させる作業習慣や身体の使い方
精神的ストレスが腰痛に与える影響

目次•監修

看護師の腰痛が起こる原因と実態
看護師の腰痛対策とおすすめ職場

看護師の腰痛が起こる原因と実態

・私の病院で実際にあった話―「異動して本当に良かった」と話す看護師の決断
・看護師腰痛なぜ起こりやすいのか
・看護師腰痛の割合と実態データ
・腰痛看護師働けない状況とは
・看護師腰痛で辞める理由と背景

私の病院で実際にあった話―「異動して本当に良かった」と話す看護師の決断

私の勤務していた有床クリニックで、実際にあった出来事を紹介します。

透析センターで長年勤めていた、45歳のベテラン看護師がいました。仕事に対してとても真面目で、患者さんへの対応も丁寧。まわりのスタッフからも信頼されている方です。ただ、数年前から徐々に腰の不調を訴えるようになり、次第に痛みが強くなっていきました。

透析業務は立ちっぱなしの時間が長く、患者の体を支える場面も少なくありません。腰への負担は大きく、ついに業務を続けるのが困難になりました。そのため一度、病棟へ異動することになったのですが、そこでも症状は改善せず、痛みに耐えながら勤務する日々が続きました。

「もう限界かもしれない」という本人の言葉を聞いたのは、病棟異動からしばらく経ってからのことです。

このままではいけないと判断し、私たちは次に訪問診療業務への異動を提案しました。本人も納得し、異動が決まった後、医師の勧めでコルセットを着用しながらの勤務に切り替えました。

業務は医師の診療補助ですので、バイタルチェックと採血、処置がメインです。患者を支えたり体交したり、補助業務がありません。

現在は、腰に無理のない範囲で訪問先の患者対応にあたっています。主な業務は診療準備や記録補助などで、介助動作はほとんどありません。移動はあるものの、座って対応できる時間も多く、明らかに身体の負担が軽くなりました。

本人からは、「異動してきて本当に良かったです」という言葉がありました。以前は痛みを我慢しながら働いていたのが、今では体調をコントロールしながら、無理なく看護の仕事に向き合えています。

この出来事を通して実感したのは、自分に合った現場にシフトする選択肢があるということです。看護師としてのキャリアを諦める前に、体を守れる働き方を選ぶことが何よりも大切だと改めて感じました。もし今、腰痛に悩みながら仕事を続けている方がいれば、無理を重ねる前に、一度立ち止まって「別の働き方」を考えてみてほしいと思います。あなたの経験やスキルを活かせる場所は、きっと他にもあります。

看護師腰痛なぜ起こりやすいのか

看護師に腰痛が起こりやすいのは、日常業務の中に腰に大きな負担がかかる動作が多く含まれているためです。特に病棟勤務の看護師は、患者の体を支えたり移動させたりする場面が頻繁にあります。

主な要因としては以下のような点が挙げられます。

患者の体位変換や移乗など、全身の力を使う作業が多い
立ち仕事や歩行が多く、腰への負担が慢性的になりやすい
夜勤や不規則な勤務によって筋肉の疲労回復が追いつかない
人手不足で業務量が増え、一つひとつの動作が急ぎがちになる

例えば、ベッドからストレッチャーに患者を移す際、適切な介助方法が取れなかったり、補助道具がすぐに使えなかったりすることがあります。こういった場面で無理な体勢を取ると、腰に負荷が集中しやすくなるのです。

また、看護業務には心理的なプレッシャーもつきものです。緊張やストレスによって身体がこわばり、姿勢が悪くなることで腰痛を引き起こすこともあります。このように、看護師の仕事は肉体的にも精神的にも腰に負担をかけやすい構造になっており、腰痛が起こりやすいのは避けられない面もあるのが現状です。

看護師腰痛の割合と実態データ

看護師の腰痛は、医療現場における重要な課題として広く認識されています。公益社団法人日本看護協会の報告によれば、看護職の5〜7割が腰痛を抱えているとの調査結果が示されています。

腰痛予防対策について | 看護職の皆さまへ | 公益社団法人日本看護協会

また、急性期一般病院における看護職員の腰痛・頸肩腕痛の実態調査では、看護職者の腰痛有訴率は、「現在ある」68.1％、「ここ1年」は76.1％、「看護職についてから」は85.6％という非常に高い結果が報告されています。さらに、病棟勤務看護師を対象とした多施設共同研究による腰痛実態調査では、腰痛発症歴を有する者は77.9％、そのうち腰痛を繰り返し発症している者は83.7％と、高い割合で腰痛が発生していることが明らかになっています。

これらのデータから、看護師の腰痛は非常に高い割合で発生しており、医療現場における深刻な問題であることがわかります。腰痛の予防と対策は、看護師個人だけでなく、医療機関全体で取り組むべき重要な課題といえるでしょう。

腰痛看護師働けない状況とは

看護師が腰痛のために働けなくなる状況には、いくつかの深刻なケースがあります。中でも多いのは、慢性的な痛みや動作制限によって日常業務が継続できなくなる場合です。看護の仕事は、体を使う作業が多く、腰の可動域が狭まったり痛みが強くなったりすると、単純な移動や介助作業さえ困難になります。

例えば、患者の体位変換や移乗介助を行う際には腰に相当な力がかかります。腰痛が悪化していると、このような業務を安全に行うことができず、自分だけでなく患者にも危険が及ぶ可能性があります。このため、職場の判断で一時的な休職や他部署への異動を求められることも少なくありません。

また、ぎっくり腰のような急性の腰痛では、突然立ち上がれなくなる、歩行が困難になるといった状態に陥ることもあります。このような症状が現れた場合、現場復帰までに数日から数週間の安静が必要となり、勤務に支障をきたします。

さらに、慢性腰痛が長期間続くと、精神的なストレスや不安も重なり、「動くことが怖い」「また再発するのでは」という気持ちが強くなることがあります。こうした心理的負担によって、物理的には働ける状態でも職場復帰が難しくなるケースも見受けられます。

このように、腰痛が原因で働けない状況は単に痛みだけでなく、身体機能の制限や精神的な影響、職場環境などさまざまな要因が重なって生じるものです。早期の対策と理解ある職場のサポートが、看護師の継続的な勤務には欠かせません。

看護師腰痛で辞める理由と背景

看護師が腰痛を理由に退職を選ぶ背景には、業務の過酷さと回復の難しさが深く関わっています。腰痛は一時的なものにとどまらず、慢性化すると仕事の継続そのものが難しくなることが少なくありません。

まず、看護師の仕事には中腰での作業や力を使う動作が頻繁にあります。これらの動作を毎日繰り返す中で、慢性的な腰痛を抱える人は少なくありません。そして、腰に痛みを感じながら働き続けると、今度は身体をかばうような不自然な動きが習慣化され、ほかの部位にも影響が出るようになります。

また、職場によっては人手不足の影響で十分な休憩が取れなかったり、腰痛があっても無理に業務を続けなければならない雰囲気があることもあります。周囲に迷惑をかけたくないという気持ちから、症状を隠しながら働き続ける人も多いですが、それがさらに状況を悪化させる原因になりがちです。

さらに、腰痛が長引くことで精神的にも消耗し、「これ以上続けるのは無理」と感じて退職を決断する人もいます。特に若手の看護師の場合、経験を積む前に身体を壊してしまい、他職種への転職を選ぶケースも少なくありません。

このように、腰痛による退職は単なる健康問題ではなく、職場の構造や業務の進め方、人間関係といった複数の要因が重なって生じる問題です。職場側が腰痛を「個人の体調不良」として片付けてしまうのではなく、根本的な業務改善や環境整備を行う必要があると言えるでしょう。

看護師の腰痛対策とおすすめ職場

・看護師腰痛の治し方とケア方法
・看護師腰痛を軽減する勤務スタイル
・まとめ：看護師腰痛と付き合っていく為に

看護師腰痛の治し方とケア方法

看護師の腰痛を改善するには、日常的なケアと働き方の見直しが重要です。腰痛をそのまま放置すると慢性化しやすく、仕事に支障をきたすリスクが高まります。早めの対応と無理のない働き方へのシフトが回復の鍵になります。

まず、基本となるのは医療機関での適切な診断です。整形外科やリハビリ科を受診し、腰痛の原因把握することが必要です。診断に基づいた治療方針が必要です。

次に、自宅でできるセルフケアとしては、腰への負担を減らす姿勢の見直しや、軽いストレッチ・体幹トレーニングの継続が効果的です。寝具を見直して腰をサポートするマットレスに替える、腰を冷やさないようにするなど、生活環境を整えることも忘れてはいけません。

また、症状が強い場合は一時的に休職することも検討してよい選択肢です。身体を回復させるための期間を確保することで、長期的には仕事を続けやすくなります。医師の意見を参考にしながら、無理をせず自分の体を優先する判断が大切です。

職場の選び方にも工夫が必要です。例えば、デイサービスでは利用者が比較的自立していることが多く、介助の回数も限られています。業務内容もバイタルチェックや服薬管理が中心で、立ったり座ったりする回数が少なくなります。訪問診療の補助業務も、移動はありますが腰に大きな力を使う作業は少ないため、腰痛持ちには適した環境といえるでしょう。さらに、健診センターでの勤務は基本的に決まった流れの中で対応する業務が多く、重労働が少ないことから、腰に優しい働き方として人気があります。

このように、腰痛の治療とケアは日々の積み重ねと、働く環境の見直しがあってこそ効果を発揮します。自分の体としっかり向き合いながら、無理のない選択をしていくことが、回復への第一歩となります。

看護師腰痛を軽減する勤務スタイル

腰痛を抱える看護師にとって、無理なく働き続けるためには勤務スタイルの見直しが欠かせません。体への負担が大きい働き方を続けていると、痛みが慢性化したり、再発を繰り返したりするリスクが高まります。そうならないためにも、自分に合った働き方を早めに検討することが大切です。

まず、腰痛がある場合は夜勤や長時間労働が続く勤務から外れる選択肢を考えてみましょう。特に病棟勤務では、夜間の急な対応や患者の体位変換など、急な負荷がかかる場面が多く、腰痛には不向きです。日勤のみのパートや短時間勤務など、身体に優しい働き方に切り替えることで症状が落ち着きやすくなります。

それでも勤務中に腰に不安を感じる場合は、コルセットの着用や作業前のストレッチ、立ち時間の合間に軽く体を動かすなど、小さな工夫を積み重ねることが大切です。業務を見直すだけでなく、自分の体に合った対処法を習慣化することで、腰痛と上手に付き合いながら働き続けることが可能になります。

まとめ：看護師腰痛と付き合っていく為に

腰痛を抱えながらも看護師として働き続けるためには、「無理をしない」という姿勢を基本に、仕事との付き合い方を見直すことが重要です。完治を目指すのが理想ですが、慢性的な腰痛に悩む方の中には、症状と共存しながら働いている人も少なくありません。

まず、身体に過度な負担をかけないことが第一です。日々の業務においては、正しい体の使い方を身につけることが求められます。患者の移乗や体位変換の際には、無理な姿勢を避け、できる限り介助器具を活用するようにしましょう。腰を守るためにコルセットを使用したり、作業前後にストレッチを取り入れることも習慣化したいポイントです。

次に、必要に応じて休職を検討することも大切です。長く働き続けるためには、一時的に現場を離れて身体を回復させる選択も正しい判断の一つです。休職期間中には、理学療法や運動療法を受けながら、自分の身体と向き合う時間をしっかり確保しましょう。

また、職場環境そのものを見直すことも有効です。病棟勤務のような肉体労働が多い職場から、腰に負担の少ない業務へと転職することで、働きやすさは大きく変わります。たとえば、デイサービスは利用者の自立度が高く、介助動作の頻度が少ないため体への負担が軽減されます。訪問診療の補助業務では、チームで動きながら座っての業務が多く、腰への影響を抑えることができます。健診センターも同様に、定型的な業務が中心で急な力作業が少ない職場です。

このように、腰痛と上手に付き合っていくためには、日々のセルフケアに加えて、職場選びや勤務スタイルの見直しが必要です。身体と心の両方に余裕を持つことで、無理なく看護師としてのキャリアを続けることができるようになります。