看護師として働く中で、夜勤ありの手取りがどのくらいになるのか気になる人は多いだろう。特に、2交代と3交代の勤務形態では給料の違いがあり、自分に合った働き方を選ぶことが重要になる。3交代勤務は夜勤回数が多く、生活リズムが乱れやすいため、きついと感じる看護師も少なくない。一方で、2交代勤務は1回の夜勤が長いため、夜勤手当が多くつくが、体力的な負担が大きいのが特徴だ。
しかしながら、収入という面だけみると夜勤は、非常に魅力的ではある。夜勤手当に深夜手当、そしてその勤務をこなした回数分だけ稼げるという事実がある。稼ぎたい人は山ほどいると思いながらも、一方で辞めたいと思う現状を過ごしている看護師も多いというのが夜勤である。本稿では看護師の夜勤あり手取りの金額を想定した記事を書いてみる。

-
看護師の夜勤ありの手取り額の相場と影響する要因
-
2交代・3交代勤務の違いと給料の差
-
夜勤の負担や異動に関する悩みと対処法
-
夜勤手当が高い職場の特徴や転職の選択肢
看護師 夜勤あり 手取りはどのくらい?
- 看護師の夜勤ありの平均手取り額とは
- 2交代・3交代勤務の違いと給料の差
- 3交代勤務がきついと言われる理由
- 夜勤手当が高い職場の特徴と選び方
- 前残業したくない!効率よく働くポイント
看護師の夜勤ありの平均手取り額とは
看護師の夜勤ありの手取り額は、勤務形態や施設の規模、地域によって大きく異なりますが、一般的には月額25万円~35万円程度になることが多いです。これには基本給のほか、夜勤手当、資格手当、残業手当などが含まれます。特に夜勤手当は病院ごとに異なり、1回の夜勤で8,000円~15,000円程度支給されるケースが一般的です。
夜勤のある看護師の手取り額を左右する要因の一つに、夜勤の回数が挙げられます。例えば、月に4回程度の夜勤をこなす場合と、8回以上の夜勤を行う場合では、手当の差によって手取り額が数万円以上変わることもあります。さらに、夜勤手当が高めに設定されている大学病院や公立病院に勤めると、同じ夜勤回数でも給料が比較的高くなる傾向があります。
ただし、手取り額には控除が影響することを忘れてはいけません。社会保険料や税金が引かれるため、額面の給料と実際の手取り額には差があります。特に扶養控除がない単身の看護師の場合、手取り額が思ったより少なくなることも考えられます。
加えて、ボーナスの支給額によっても年収ベースの手取り額が変動します。一般的に病院勤務の看護師は、夏と冬に2~3ヶ月分のボーナスが支給されることが多く、年収ベースで考えると手取り額は400万円~500万円程度になることが一般的です。しかし、夜勤の有無によっても支給額に差が出るため、夜勤ありの方が年収は高くなる傾向にあります。
また、夜勤を続けることで手取りが増える反面、体力的な負担が大きくなる点にも注意が必要です。夜勤は生活リズムが乱れやすく、健康面への影響も考慮しなければなりません。そのため、夜勤の回数を増やして手取り額を上げることができても、自分の体力や生活環境とのバランスを取ることが重要です。
2交代・3交代勤務の違いと給料の差
看護師の勤務形態には「2交代制」と「3交代制」があり、それぞれの働き方や給料には大きな違いがあります。まず、2交代制は「日勤」と「夜勤」の2種類の勤務に分かれており、夜勤は1回の勤務が16時間以上に及ぶことが特徴です。一方、3交代制は「日勤」「準夜勤」「深夜勤」の3種類の勤務があり、1回の勤務時間が8時間程度と短めになっています。
2交代制の大きな特徴は、夜勤の回数が少なくなる点です。例えば、3交代制の看護師が月8~10回の夜勤をするのに対し、2交代制では月4~5回程度で済むことが一般的です。そのため、夜勤回数が少なくても夜勤1回あたりの時間が長いため、夜勤手当が多くつきやすくなります。その結果、2交代制の方が3交代制よりも給料が高くなることが多いです。
一方で、3交代制は1回の夜勤時間が短いため、体力的な負担が比較的軽減されるというメリットがあります。しかし、勤務時間のサイクルが短いことで生活リズムが乱れやすく、夜勤と日勤を頻繁に繰り返すことで体調を崩しやすいデメリットもあります。また、夜勤手当は夜勤の回数によって支給されるため、3交代制の場合は夜勤回数が多くなりやすいですが、1回あたりの手当は2交代制よりも少なめです。
給料の面では、2交代制の方が夜勤1回あたりの手当が高いことが多く、トータルの給料が高くなる傾向があります。例えば、2交代制で夜勤手当が1回12,000円だとすると、月5回の夜勤で60,000円の手当がつきます。一方、3交代制で準夜勤・深夜勤の手当がそれぞれ5,000円だった場合、10回の夜勤をしても合計50,000円となり、結果的に2交代制の方が収入が高くなりやすいのです。
ただし、2交代制は1回の夜勤時間が長いため、身体的負担が大きく、長期間続けるのが難しいという声もあります。逆に3交代制はこまめな休憩が取りやすいものの、細かく勤務が分かれているため、連勤が続きやすく、疲労が蓄積しやすい点に注意が必要です。
どちらの勤務形態が良いかは、看護師自身のライフスタイルや体力、収入面の希望によって変わります。給料の高さを優先するなら2交代制、生活リズムの安定を重視するなら3交代制を選ぶのが一般的です。ただし、病院の方針によって勤務形態が決まっていることが多いため、転職を考える際は事前に確認しておくことが重要です。
3交代勤務がきついと言われる理由
3交代勤務は、多くの看護師から「きつい」と言われることが多い勤務形態です。その主な理由は、勤務時間の短さとシフトの変則性にあります。一般的に3交代勤務では「日勤」「準夜勤」「深夜勤」の3つに分かれており、それぞれの勤務時間が8時間程度と短いことが特徴です。一見すると、長時間労働を避けられるメリットがあるように思えますが、実際には不規則な勤務時間によって生活リズムが乱れやすく、体調を崩す原因になることが少なくありません。
特に準夜勤と深夜勤が続く場合は、身体的な負担が大きくなります。例えば、準夜勤(16:00~0:00)を終えた後、次の日が深夜勤(0:00~8:00)であると、ほぼ連続で働くことになり、十分な休息を取ることが難しくなります。このような勤務スケジュールが繰り返されると、慢性的な睡眠不足になりやすく、集中力の低下や体調不良につながります。さらに、深夜に働くことでホルモンバランスが乱れやすくなり、長期的に見ると免疫力の低下や生活習慣病のリスクも高まるとされています。
また、3交代勤務では勤務時間が細かく分かれているため、生活のリズムが安定しにくいという問題もあります。例えば、日勤・準夜勤・深夜勤をローテーションで担当する場合、1週間ごとに勤務時間が変わることも珍しくありません。このような変則的なシフトでは、睡眠時間の確保が難しくなり、体内時計が乱れてしまいます。特に、家族と同居している場合は、生活時間が合わずにすれ違いが増え、人間関係にも影響を与えることがあります。
さらに、3交代勤務は夜勤の回数が多くなりやすい傾向があります。一般的に2交代勤務では月4~6回程度の夜勤が多いのに対し、3交代勤務では10回以上になることもあります。夜勤の頻度が増えることで、肉体的な疲労だけでなく、精神的なストレスも蓄積しやすくなります。その結果、モチベーションが下がりやすく、仕事の継続が難しくなる人も少なくありません。
このような理由から、3交代勤務は「きつい」と感じる人が多いのです。しかし、一方で勤務時間が短いため、長時間労働を避けられるというメリットもあります。また、病院によっては夜勤の間隔を調整し、負担を軽減する工夫をしているところもあります。自分に合った働き方を見つけるためにも、勤務スケジュールや休息の取り方を工夫し、健康を維持しながら働くことが大切です。
夜勤手当が高い職場の特徴と選び方
夜勤手当が高い職場を選ぶことで、同じ夜勤の回数でも大きく収入を増やすことができます。しかし、夜勤手当の支給額は病院ごとに異なり、単に夜勤回数を増やせば収入が上がるとは限りません。夜勤手当が高い職場にはいくつかの特徴があり、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。
まず、夜勤手当が高い病院の特徴として、公立病院や大学病院などの規模が大きい施設が挙げられます。こうした病院では、国や自治体の基準に基づいて給与が決められていることが多く、夜勤手当も比較的高めに設定されています。例えば、一般的な病院では1回の夜勤手当が8,000円~12,000円程度であるのに対し、公立病院では15,000円以上の手当が支給されるケースもあります。
次に、救急医療を担う病院や高度医療を提供する施設も、夜勤手当が高くなる傾向があります。救急外来やICU(集中治療室)などは、夜間でも患者対応が必要なため、夜勤の負担が大きくなります。その分、夜勤手当が手厚く支給されることが多く、手当の額が他の病棟よりも高めに設定されていることがあります。しかし、業務負担が大きくなるため、給与の高さだけでなく、自分の体力や働きやすさも考慮することが大切です。
また、**民間病院や特定の法人が運営する病院の中には、独自に高い夜勤手当を設定している施設もあります。**こうした病院では、人材確保のために夜勤手当を手厚くするケースがあり、1回の夜勤手当が15,000円以上になることもあります。ただし、民間病院では給与体系が病院ごとに異なるため、事前に求人情報や職場の評判を確認することが重要です。
夜勤手当の高い職場を選ぶ際には、給与の総額だけでなく、労働環境や福利厚生の充実度もチェックする必要があります。例えば、夜勤専従看護師として働く場合、夜勤手当は高くなることが多いですが、体力的な負担が大きくなるため、シフトの調整や休暇の取得状況も確認しておくべきです。また、夜勤明けの休息時間が十分に確保されているか、夜勤専従の勤務が長期的に続けられる環境かどうかも判断のポイントになります。
さらに、**実際に働いている看護師の声を参考にすることも有効です。インターネットの口コミサイトや転職エージェントの情報を活用することで、実際の夜勤の負担や手当の詳細を知ることができます。特に、給与の情報は求人票だけではわかりにくいため、エージェントを通じて確認すると、より正確な情報を得られる可能性が高まります。
このように、夜勤手当が高い職場にはいくつかの共通点がありますが、最終的には自分に合った働き方を選ぶことが最も重要です。給与だけでなく、業務の負担や職場環境も含めて総合的に判断し、無理なく働ける職場を見つけることが、長く看護師として働くためのポイントとなります。

看護師 夜勤あり 手取りに夜勤手当とは別に深夜手当もつく?
夜勤手当とは別についている深夜手当とは?
看護師の給与には、基本給に加えてさまざまな手当が含まれ、その中でも夜勤手当と深夜手当は重要な要素となります。これらの手当は、夜間の勤務に対する労働の対価として支給されますが、その詳細や支給額は勤務先や地域によって異なります。
夜勤手当とは
夜勤手当は、夜間に勤務する看護師に対して支給される手当です。この手当は、労働基準法で定められた深夜割増賃金とは別に、各医療機関の就業規則や労使協定に基づいて設定されています。そのため、夜勤手当の金額や支給条件は施設ごとに異なり、法的な支払い義務はありません。
深夜手当(深夜割増賃金)とは
深夜手当、正式には深夜割増賃金は、労働基準法第37条に基づき、午後10時から午前5時までの間に労働した場合に通常の賃金の25%以上の割増賃金が支払われることが義務付けられています。これは全ての労働者に適用される法的な規定であり、看護師も例外ではありません。
夜勤手当と深夜手当の違い
夜勤手当と深夜手当の主な違いは、法的な支払い義務の有無です。深夜手当が適用される時間帯は、労働基準法により午後10時から翌朝5時までと定められています。この時間帯に労働した場合、通常の賃金に25%以上の割増賃金が支払われる義務があります。例えば、午後9時から午前0時まで勤務した場合、午後10時から午前0時までの2時間が深夜労働となり、その時間に対して深夜手当が適用されます。また、午後11時から午前6時まで勤務した場合、午後11時から午前5時までの6時間が深夜労働となり、深夜手当の対象となります。
なお、深夜労働が時間外労働(残業)や休日労働と重なる場合、割増率は合算されます。例えば、時間外労働の割増率が25%、深夜労働の割増率が25%の場合、これらが重なる時間帯の割増率は50%となります。つまり、通常の賃金の1.5倍の賃金が支払われることになります。
夜勤手当の相場
夜勤手当の金額は、勤務形態や施設の規模、地域によって差があります。一般的には、2交替制の夜勤手当は1回あたり8,000円から15,000円程度、3交替制の準夜勤・深夜勤の手当はそれぞれ5,000円から8,000円程度とされています。ただし、これらはあくまで目安であり、実際の金額は各施設の規定によります。
夜勤手当の格差
夜勤手当には医療機関の間で格差が存在します。例えば、公立病院や大学病院などの大規模な医療機関では、夜勤手当が高めに設定されていることが多い一方、小規模なクリニックや民間病院では手当が低めに設定されている場合があります。また、地域によっても手当の金額に差があり、都市部と地方では相場が異なることがあります。
月に6回夜勤を行った場合の具体的な給料とは?
看護師が月に6回の夜勤を行う場合、給与には基本給に加えて夜勤手当が支給される。夜勤手当の金額は勤務先の規模や地域、勤務形態(二交代制・三交代制)によって異なる。夜勤手当の相場で計算しよう。
二交代制:1回の夜勤手当は約11,286円。月6回の夜勤で約67,716円が加算される。一方で、三交代制となると準夜勤が1回あたり約4,154円。月6回で約24,924円、深夜勤が1回あたり約5,122円となり、月6回で約30,732円となる。
例えば、基本給が24万円の看護師が二交代制で月6回の夜勤を行う場合、夜勤手当約67,716円が加算され、総支給額は約307,716円となる。ただし、これは概算であり、実際の給与は各種手当や控除によって異なる。三交代制だと30,732円加算となり270,732円になる。二交代制、三交代制のどちらがいいとは言い切れないが、実際にはこんな感じで給料が支給される。
看護師 夜勤専従 2交代制 月10回想定を仮定してみた!
夜勤専従看護師の給与相場:夜勤専従看護師の給与は、勤務形態や地域、施設によって異なります。一般的に、2交代制で月に9~10回の夜勤を行う場合、月収は約32万~40万円とされています。手取り額はこの約8割で、24万~32万円程度となります。
夜勤1回あたりの手当額:日本看護協会の調査によれば、2交代制の夜勤1回あたりの平均手当額は約11,286円です。
月10回の夜勤を行った場合の試算:上記の平均手当額を基に計算すると、夜勤手当だけで月に約112,860円となります。これに基本給やその他の手当を加えると、前述の月収32万~40万円の範囲内に収まることが多いでしょう。
非常勤(アルバイト)としての夜勤専従:非常勤の夜勤専従看護師の場合、1回の夜勤での日給は約3万~3万5千円とされています。月に10回勤務すると、月収は約30万~35万円となります。
看護師 夜勤あり 手取りの実態と働き方のポイント
- 看護師の夜勤ありの手取り額は25万円~35万円程度が一般的
- 夜勤手当は1回あたり8,000円~15,000円ほど支給されることが多い
- 2交代制の夜勤1回あたりの平均手当額は約11,286円
- 夜勤回数が増えると手取り額は上がるが体力的な負担も増す
- 2交代制は夜勤手当が高く、3交代制は勤務時間が短い
- 3交代制は生活リズムが乱れやすく、体調管理が重要
- 夜勤手当が高い病院は公立病院や救急医療を担う施設に多い
- 夜勤手当とは別に深夜手当がついている
- 深夜手当の支給は労働基準法で定められている
- 夜勤専従看護師の場合、1回の夜勤での日給は約3万~3万5千円
- 月10回の夜勤を行った場合でも月収32万~40万円の範囲内に収まる