大きな病院、特に公立病院等と小さなクリニックでの昇給の違いを知っていますか?
市立病院や国立病院、赤十字病院等は、一般的に公立病院に準じた昇給制度になります。政府や自治体、公的機関によって管理されており、そのため給与や昇給は公務員の制度に基づいています。公務員の昇給は、一定の期間や成果に基づいて自動的に行われることが一般的です。
既に昇給表があり、階級に応じて自動昇給していくシステムです。よって、確実に年々昇給していきます。看護師だと30歳代までは順調に昇給していきますが、40歳を過ぎると昇給幅が低くなっていったと思います。技術職は、反対に40歳までの昇給幅が低く、40歳を越してからの昇給幅が大きくなっていた気がします。私は技術職でしたので、若い頃は、昇給が低く、看護師との給料ギャップに違和感を覚えていました。私が退職した理由でもあります。ちなみに下記は、赤十字病院の技術職と看護師の昇給表です。
おなじ専門学校卒であっても、看護師との差が就職した最初から2万円程度ついていることがわかると思います。大学卒業になるとまた、違う階級があります。左の年齢をみてもらうとわかるのですが、40歳前後でこの2つの職種が同じような給料になり、41歳から技術職の方が給料が高くなります。
ちなみに60歳まで働いた後の給料も表に書いているので、先々の給料が見えて、少し悲しい感じです。役職にならない限り、いくら働いても40万を超えないという現実が見えます。
一方、個人開業のクリニックでは、医師やスタッフの給与はクリニックの収益によって決定されることが一般的です。普通に働いていても昇給はありますが、非常に不安定です。しかし、能力を認められれば、それなりに大きな昇給となります。院長に必要とされる医療従事者になれば、それなりに重宝され、昇給も贔屓される可能性もあります。また、クリニックの収入が多くなれば、それなりに職員へ還元される可能性もありますので、いずれにしても変動的な昇給が小さなクリニックの特徴だと思います。
昇給の頻度としては、公立病院では、一般的に年次昇給があります。これは、一定の期間ごとに給与が自動的に引き上げられる仕組みです。一方、個人開業のクリニックでは、昇給はクリニックの業績や医師やスタッフの貢献度に応じて決定されるため、昇給の頻度やタイミングはより変動する場合があります。
私の場合、10年働いて平均で月20万円程度昇給しました。私の知り合い等も、チャンスをつかんでいる役職者は同様に年収を増やしています。変動的ではありますが、マネジメントする側は、きっかけをつかめば公立病院では味わえない昇給をつかむことが可能な世界です。もちろん、普通に働いていけば、普通にしか昇給はしないとは思いますが、マネジメントする側は一般とは違った昇給になると思います。