私は、このまま医療従事者を続けて大丈夫なのか?
もっと違う業種で働くことも選択肢に・・・
看護師の退職理由に、違う業界で働きたいという方もいます。
実際、僕が退職までの過程で職員面談するとこのような声も聞こえてくることもあります。
しかしながら、医療従事者は国家資格を持ち合わせている状況から、その国家資格を捨ててまで違う業種で働く勇気がある人は本当に少ないようにも見受けられます。
医療従事者の大きな障壁は、各自で持ち合わせている国家資格にあり、異業種への転職を妨げるものでもあります。
例えば、医師や看護師であれば、他の業種に転職しても、今以上の給料が保証される業界は数少ないのではないでしょうか。看護師だからといって優遇される業種は、医療に関連した職業のみになると思います。
例えば、広告業や飲食業、映像関係などに行っても、看護師だからといった給料はもらえません。逆に資格より経験がある者の方が給料が高いと思います。
コメディカルに関しては、このご時世ですので、もしかしたら他業種の方が高い可能性があります。しかしながら、大変な思いをして取得した国家資格ですので、そう易々と捨てられませんよね。
また、医療業界独特の働き方や職場環境に慣れてしまうと、他の業種にはなかなか踏み出しにくい気もします。上記のように考えると、医療従事者の国家資格は、異業種への転職の妨げになります。
わざわざ異業種へ飛び込みむ必要があるのか?医療業界は衰退していくのか?需要が無くなっていくのか?
色々考えてみますが、そんな簡単に需要が低くなるとは思えません。
確かに資格によっては、供給増という問題もあり、需要と供給のバランスがおかしくなっているものもあります。資格を取っても就職難ということも有り得ます。
しかし、働く場所を特定しない、広く考えてみると、転職サイトなどには数多くの求人が掲載しています。求人理由はどうあれ、尽きる事がないと見ています。
医療を受ける人は、現状では減りませんし、増える一方です。高齢化と言えども、寿命が延びている社会ですので、需要は尽きないと考えています。
医療系の専門学校や大学は増え続けるのか
近年、准看護師の育成学校や看護専門学校の閉鎖がニュースになっていますが、看護師を志す学生は、看護大学の進学が志望と聞きます。
准看護師の育成に関しては、看護協会が反対している状況であり、反対に開業医を多く持つ医師会は育成に賛成といった二分の考え方があり、全面中止にはなっていません。
准看護師から正看護師へキャリアアップする学校も定員割れしているように見受けれますので、大きな需要があるようには見えません。
医師に関しては、国が医学部の新設を認めていないため、現状通りの供給体制になります。
コメディカルに関しては、様々な医療系資格の専門学校が増えましたが、少子化の影響もあり、近年では増え続けている感じが無さそうです。
上記から考えても、ある程度学校数は定まりはじめ、新設はそこまで多くならない、逆に少子化でもう少し狭まる可能性があります。
詳細は、下記文部科学省のHPにあります資料を参照してください。https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kango/1353401.htm
一時期、看護師と理学療法士の養成校数に大学の参入が目立ち、看護系大学の数は10年間で3倍に増加しました。一方、看護系専門学校は私立の新旧入れ替わりや国公立校の閉鎖も見られ、微減傾向にありました。理学療法士の育成大学は10年間で6倍、専門学校が2倍という急増時期もありました。
確かに、今も大学で学ぶ医療従事者予備軍は増え続けています。これは、時代なのでしょうね。
国家資格を取得するという目的は一緒でも、ゆっくり多くを学びたい学生が増えている、資格を取って就職しても給料面なども含め、大学の方が有利に就職できるということが伝わっているのかもしれません。
いずれにしても医療の需要は尽きませんので、医療従事者の数は一定数を保っていくものと思われます。
懸念されるのは、看護補助者の減少
たったひとつ懸念される医療業界の材料
それは看護補助者の減少です。
看護師の補助にあたる業務で、非常に忙しく働いて頂いている看護補助者ですが、給料面から介護業界へのシフトが相次いでいます。介護業界は、処遇改善手当があり、医療業界より手厚い事業所が多く見受けられます。
【厚生労働省】福祉・介護職員の処遇改善https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/minaoshi/index_00007.html
医療業界にいても医療行為が出来るわけではありませんので、どちらかというと介護のような業務が主となります。同じ仕事をするのであれば、給料が高い方が良い方が優先されます。
看護補助者も介護の資格を取得する方、取得されて働いている方も多く見られますので、行く末は今以上に看護補助者が減っていく可能性はあります。
取り返しがつかなくなる前に、この問題だけはどうにかしていくべきだと思っています。