転職は、人生の大きな岐路となりますので、躓きたくはないと誰もが思います。好条件で、今以上の職場が見つかったなら、タイミングを見計らって転職することが理想となるのではないでしょうか。
しかし、上手く渡り歩く人とそうでない人がいるわけで
上手く行かない人にはいくつか共通する特徴
が見られます。これらの特徴を理解し、「自身も上手く行かない人」にならないようにしてください。事前にそれぞれに対策を講じることで、転職活動を成功に導く可能性が高まります。以下に、僕が面接官として、また転職している先輩として、上手く行かない人の特徴とその対策を詳しく説明します。是非参考にしてください。
1. 自己分析の不足
転職が上手く行かない人の多くは、自分自身の強みや弱み、キャリアの目標について十分に理解していません。これは僕が面接をしながら、非常に強く感じていることです。
自己評価シートの作成
自己評価シートを作成し、これまでの経験やスキルを整理します。以下の項目を含めると良いでしょう。
- 職務経験: 過去の職務経歴を詳細に書き出します。どのような仕事をしていたのか、どのような成果を上げたのかを具体的に記載します。
- スキルセット: 業務を通じて習得したスキルをリストアップします。技術的なスキル(プログラミング、データ分析など)だけでなく、ソフトスキル(コミュニケーション、リーダーシップなど)も含めます。
- 強みと弱み: 自分の強みと弱みを客観的に評価します。強みは自分をアピールするために、弱みは改善点として認識します。
- 価値観と興味: 自分の価値観や興味のある分野について考えます。仕事に対するモチベーションや、どのような企業文化が自分に合っているのかを明確にします。
SWOT分析
SWOT分析は、自分の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を整理するための手法です。
- Strengths(強み): 自分の強みを書き出します。これには、専門知識、スキル、人間関係などが含まれます。
- Weaknesses(弱み): 自分の弱みを特定します。これには、スキル不足、経験不足、自己管理の課題などが含まれます。
- Opportunities(機会): 外部環境から得られる機会を考えます。例えば、新しい業界への進出、ネットワーキングの機会、自己啓発の機会などです。
- Threats(脅威): 自分にとっての脅威を考えます。これには、競争の激化、経済の変動、技術の進歩による影響などが含まれます。
キャリアアンカーの特定
キャリアアンカーとは、自分のキャリアにおいて最も重要な価値観や欲求を指します。これを特定することで、自分に合った職場環境や仕事を見つけやすくなります。
- 技術/機能的能力アンカー: 専門的な技術やスキルを活かすことを重視します。
- マネジメント能力アンカー: 組織の中で管理職として働くことを重視します。
- 自律/独立アンカー: 自由に働ける環境を重視します。
- 安定/保障アンカー: 安定した雇用と収入を重視します。
- 創造性アンカー: 創造的な仕事を重視します。
- 奉仕/貢献アンカー: 社会に貢献する仕事を重視します。
- 挑戦アンカー: 新しい挑戦や困難な課題に取り組むことを重視します。
- 生活様式アンカー: 仕事とプライベートのバランスを重視します。
キャリアゴールの設定
自己分析を基に、具体的なキャリアゴールを設定します。これには、短期(1年以内)、中期(1~3年)、長期(3年以上)の目標を含めます。キャリアゴールを明確にすることで、転職活動の方向性が定まり、効果的な行動が取れるようになります。
2. 市場調査の不足
自分に合った医療機関でのポジションを見つけるためには、現在の求人市場や業界の動向を理解することが不可欠です。しかし、転職が上手く行かない人は、この市場調査を怠る傾向があります。これにより、実際に自分に適した求人に出会う機会を逃してしまいます。自らの時間を転職に割けなくて、市場調査も自分には難しいという方は、転職の紹介会社に託く方法が無難だと思います。
こちらの対策としては、求人サイトや業界レポートを活用して市場調査を行い、どのようなスキルや経験が現在の市場で求められているのかを把握します。また、看護師などは、地区の看護協会主催や紹介会社主催の就職フェアも積極的に行われていますので、そのような場に参加することで、最新の就職・転職情報を得ることも重要です。また、医療機関のホームページ上でも公開求人ならば募集広告が出ていると思いますので、求人市場の動向を把握し、自分に合った求人に積極的にアプローチすることができます。
3. 応募書類の質が低い
転職活動において、履歴書や職務経歴書の質が低いことも一因です。応募書類が魅力的でなければ、採用担当者の目に留まらず、面接に進むことが難しくなります。
対策としては、応募書類の書き方を見直し、改善することが必要です。具体的には、過去の経験や成果を具体的に記載し、自分の強みをアピールすることが重要です。
注意としては、経験と実践は、環境が変わると全く異なってくるということです。
『出来る』と思われてしまいます。『出来る』人で採用されると、皆さんから
企業ごとにカスタマイズした応募書類を作成することで、より適切なアピールが可能となります。プロのライターやキャリアコーチの助けを借りることも一般の企業ではあるようですが、医療業界では、そこまでの必要は感じません。
4. 面接対策の不足
面接において自分の強みや意欲をうまく伝えられない場合も、転職が上手く行かない原因となります。特に、予想される質問に対する準備不足や、自信のなさが面接官に伝わると、評価が下がります。
対策としては、面接対策を徹底的に行うことが重要です。過去の経験や成果を具体的なエピソードとして話せるように準備し、自己PRや志望動機を明確にしておきます。また、模擬面接を行うことで、実際の面接に対する不安を軽減し、自信を持って臨むことができます。友人や家族、キャリアコーチに模擬面接を依頼し、フィードバックを受けることで、改善点を見つけて修正します。
5. ネットのフル活用
求人情報は公開されているものだけではなく、非公開求人も多く存在します。これらの求人にアクセスするためには、ネットをフル活用(以下、ネットワーキング)することが重要な役割を果たします。しかし、転職が上手く行かない人は、このネットワーキングを軽視しがちです。
対策としては、積極的にネットワーキングを行うことが必要です。私のおすすめは、LinkedInなどを活用することです。ビジネスSNSを活用し、自分のプロフィールを充実させ、業界内の人脈を広げることで、様々な情報が入ってくるようになります。
ちなみに私は、講師や講演会などのアルバイトが、LinkedInから発生しています。転職活用にも有利ですので、興味があれば利用するのも有りだと思います。また、業界イベントやセミナーに参加し、直接の交流を深めることも有効です。こうした活動を通じて、非公開求人の情報を得る機会が増え、転職の成功率が高まります。
6. 忍耐力の不足
転職活動は一朝一夕で成功するものではありません。多くの人が複数の応募や面接を経験し、その過程で挫折を感じることがあります。忍耐力が不足していると、途中で諦めてしまい、転職活動が上手く行かない原因となります。
対策としては、長期的な視点で転職活動に取り組むことが重要です。短期間での成功を期待せず、コツコツと努力を続けることが求められます。また、転職活動のプロセスを細かく計画し、目標を設定することで、モチベーションを維持しやすくなります。自分の進捗を記録し、達成感を得ることで、前向きな姿勢を保つことができます。
以上の特徴と対策を意識することで、転職活動の成功率を高めることができます。自己分析や市場調査、応募書類の質の向上、面接対策、ネットワーキング、忍耐力の維持といった要素をバランスよく取り入れることで、自分に合った職場を見つけることができるでしょう。転職は人生の大きな転機であり、慎重に計画し実行することが大切です。