書類選考を突破しても面接で落とされては、どうしようもありません。転職サイト経由であれば、エージェントから理由は告げられると思いますので対策が取れます。しかし、自分の何が原因で落ちたのか、理由すら告げられずに不採用通知をもらうこともあります。
僕は、面接官でもありますので、こんな質問、あんな質問の意図などが説明出来たらと思っています。
今日は、面接にお越しいただきありがとうございます。
こちらこそありがとうございます。よろしくお願い致します。
では、早速ですが・・・・現在の職場を退職して転職したいと思っている理由について教えてください。
この質問は非常にスタンダードでどの医療機関でも確実に聞かれる質問だと思います。転職に対する本気度と自身のキャリアプランを確認しています。
現職では●年間、多くの経験を積むことが出来ました。さらに専門的な知識とスキルを磨きたいと考えています。貴院の充実した研修制度や専門分野に特化した診療科に魅力を感じ、より高いレベルの看護を提供できるようになりたいと思い、転職を決意しました。
退職理由を伝える際は、現職への批判は絶対に避けてください。前向きでポジティブな理由を強調することが大切です。自分の成長やスキルアップ、新しい環境での挑戦、ワークライフバランスの向上などを理由に挙げることで、転職への意欲や目標が明確になります。
転職先の病院の特徴や理念に触れることも大切ですが、それ以上に自身のキャリアアップなど具体的なビジョンを示すことの方が好印象です。
下記はダメな例
現職では3年間多くの経験を積むことが出来ました。しかし、職場環境が悪く、同僚との人間関係が非常に悪いため退職を決意しました。
現在の職場では残業が多く、業務が過酷なので退職を決めました。
今の職場に入ってから1年しか経っていませんが、思っていた仕事と違ったので辞めます。
次に退職理由とキャリアプランを確認することで、言っていることに一貫性があるかを確認します。
あなたが考えている自身のキャリアプランを教えてください。
転職が叶った際には、●年後に●●の認定看護師に挑戦したいと思っています。現職は、専門科に特化はしてはいませんが、●●に興味があり、外部の勉強会や研修会などに参加し勉強しています。認定看護師になって、病棟で後輩に技術指導できるような看護師になるのが夢です。
履歴書に記述している内容も必ず一貫性を持たせてください。履歴書を見ながら面接しますので、説得力ある退職理由とキャリアプランは必須です!
あなたが転職先に求める条件、待遇や職場環境などを教えてください。
要望が多い少ないもあるのですが、優先順位の焦点をどこにおいて転職活動を行っているのか確認します。ワークライフバランス、人間関係、給料面、研修制度・・・確認します。
研修制度や診療科は、拘って探しています。他は特に求めている条件はありません。
ダメな例としては
人間関係が良さそうな職場を探しています。
人間関係は、あなたのコミュニケーションスキル次第ということも有り得ます。良し悪しは判断できません。
残業が無くて、休みが多い職場を探しています。
仕事に重心を置いていないと、落とされやすい傾向にはあります。
ご自身の性格をどのように分析していますか?
長所短所と聞く面接官もいるでしょうが、私は、性格の自己分析と聞きます。
私の長所は、何でも前向きに考えられることです。悪い方向で考えれば悪い方向にしか進まないと思っていますので、気持ちだけでもポジティブ思考にしています。先輩や後輩からもポジティブな性格だねと言われます。
短所はと言えば、マイペースな性格でしょうか。慎重さもあり、業務が遅くなる傾向がありました。先輩から注意された過去もありますので、今では、全体のペースを配慮しながら仕事をしています。チーム医療ですので、最近は協調性をもっとも意識しています。
ネガティブな面が多い場合は、採用を控えます。職場にとって悪影響だからです。短所をどのように克服しているかを説明できることは、非常にプラスです。
時間に遅れる、良く間違える、短気な性格、自分勝手、好き嫌いが激しいなど、社会人としてのモラルに欠けてると判断されやすい単語は避けるべきです。
最後に私が絶対に聞く質問は
●●さんの方から聞きたいことはありませんか?
聞きたいことは、何でもお答えしますよ。
聞きたいことを逆質問させます。これは、就職希望先を事前に調査しているのか?紹介会社に言われるままついてきていないか?本気なのか?心配している本心は何だろう?といった本音を探っています。
入職後に聞いていた話と違ったという乖離が無いように、僕の方でも本音ベースでお話しします。見繕ったお話はしません。
良い質問と思われる例
看護部は、キャリアラダーを導入しているとお聞きしています。ラダーの成果というのはいかがでしょうか?
貴院は、クリニカルパスを導入しているとお聞きしています。平均在院日数とベッド稼働率を教えて頂けませんでしょうか?
働き方改革で、タスクシフトしている業務などありましたら教えて頂きたいと思います。
中途採用者の教育プログラムなどあれば教えて頂きたいと思います。
待遇面、給料面などの質問でも、聞きたい事には真摯にお答えしています。良く、給料面や職場環境のお話はタブーなんて言う面接官もいます。
しかし、入職前の不安は、誰にでもありますので、入職後に「聞いていない」、「話が違う」、「そんなこと言っていなかった」とミスマッチが起こる前に聞きたい事にはお答えするようにしています。
ただ、下記のような方は、確実に不採用にしています。
質問は特にありません。
「質問がない」とストレートに言われると、非常に不信感を覚えます。積極性に欠けるイメージが付きやすいと思いますし、何を考えているのかわからないというイメージです。
僕の面接で、質問がないという看護師は、基本的に不採用にしています。
お聞きしようと思っていた研修面のお話が先ほど理解できましたので、他の質問は特にございません。
の方が、積極性を損ねない回答方法です。この言い回しであれば、不採用を回避できます。言葉には気をつけましょう。
ここまでのやり取りで、面接官としてつかむイメージは
1、志望動機と希望する就職先に一貫性があるか否か。
2、笑顔があるか。コミュニケーションに問題はないか。
3、楽をするために就職先を選んでいないか。
4、給料だけに執着していないか。
大体この程度です。
面接で仕事が出来るかどうかはわからないのか?良く言われますが、実践があるような認定試験ではありません。口頭質問の範囲内で選考する程度です。
面接時に「知識自慢」や「頑張ってますオーラ」、「あれもこれも出来ます。」的な事を言う人も確かにいます。しかし、いざ入職させてみないとマッチングはわかりません。
だからこそ、面接は人柄の確認、条件の確認が主となります。
長々と書いてきましたが、
1、志望動機と希望する就職先に一貫性がない。
2、笑顔がない。コミュニケーションに問題あり。
3、転職で楽をしたい気持ちが大きい。
4、給料だけで選んでいる。
落とす条件としては、上記4つに該当した場合です。
面接官としては、短い面接で得られることは少ないかもしれません。しかし、その短い面接である程度のマッチング能力を見抜くことは可能です。