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個人経営のクリニックで働くメリットとデメリット

医療情報

はじめに

医療業界において、個人経営のクリニックは地域医療の重要な一翼を担っています。病院や大規模医療機関とは異なる特徴を持ち、そこで働くことには独自のメリットとデメリットがあります。僕自身も大規模病院に最初は就職して、後に個人クリニックで働くようになりました。本稿では、個人経営のクリニックで働く際の利点と課題について詳述します。

メリット

1. 柔軟な勤務環境

個人経営のクリニックでは、勤務時間やシフトの調整が比較的柔軟です。オーナー医師との直接的なコミュニケーションが可能であり、個々のスタッフの事情に応じたスケジュール調整がしやすいことが多いです。日曜・祝日休みなどが大半で、勤務時間も特に育児中の医療従事者にとって、フレキシブルな勤務環境は大きな魅力です。

2. 緊密なチームワーク

小規模な組織であるため、スタッフ同士の距離が近く、強いチームワークが築かれやすいです。個人経営のクリニックでは、スタッフ一人ひとりの役割が明確であり、互いに支え合いながら業務を遂行します。このような環境は、コミュニケーションの円滑化や迅速な問題解決に寄与します。人間関係も小さな職場だと築きやすい環境だと思います。

3. 患者との深い信頼関係

個人経営のクリニックでは、同じ地域の患者と長期間にわたって関係を築くことができます。患者一人ひとりに対するきめ細やかなケアが提供でき、信頼関係が深まります。これにより、患者の健康管理がより効率的に行われ、やりがいを感じる場面が多くなります。また、大規模な病院よりもスタッフ一人一人が地域医療に参加していることを実感する場面も多くなりますので、

4. 多岐にわたる経験

大規模な医療機関では専門分化が進んでいるのに対し、個人経営のクリニックでは幅広い業務に携わることが求められます。これは、医療従事者としてのスキルや知識を総合的に高める良い機会となります。例えば、看護師は診療補助から受付業務まで、多様な役割をこなすことになります。患者からの電話対応なども行います。

5. キャリアパスの明確化

個人経営のクリニックでは、昇進や昇給の基準が明確であることが多く、自身の努力や成果が直ちに評価されやすい環境です。小規模な組織では、実績が直接的にオーナー医師に伝わりやすく、それがキャリアの発展につながる可能性があります。

6. 給料面

大病院より、個人経営のクリニックの給料が高い場合があります。毎月の給料が高いように見えて、ボーナスが少ない場合などもありますので、年収で考慮する必要はあると思います。筆者としては、病院等と比較して、業務量に対する給料となると個人経営の方が高いイメージがあります。

デメリット

1.勤務時間

始業時間が遅い事はメリットとしても、昼休みの時間が2~3時間というクリニックも沢山あります。休憩時間が長い分、閉院が18時や19時といったところもあります。夕方遅くなる可能性があるのは大きなデメリットです。

2. 経営の不安定性

個人経営のクリニックは、大規模な医療機関と比べて経営基盤が脆弱であり、経済状況や地域の需要変動に影響されやすいです。経営が不安定になると、従業員の雇用や待遇にも影響が出る可能性があります。また、オーナー医師の健康状態や引退などによるクリニックの存続問題も考慮する必要があります。後継者がいないようなクリニックは、突然解散ということも十分にあり得ます。

医療法人で複数経営しているようなクリニックだと、親族以外にもオープンに後継者を募集しますので、個人経営よりも安心な面はあります。

3. 限られたキャリアアップの機会

個人経営のクリニックでは、組織内の昇進ポストが限られているため、キャリアアップの機会が少ない場合があります。特に管理職や専門職のポジションが少ないため、キャリアの停滞感を感じることがあるかもしれません。さらなる専門性を追求する場合は、小さなクリニックへの転職を考慮する必要が出てくることもあります。

4. 福利厚生の制限

大規模な医療機関と比べて、個人経営のクリニックでは福利厚生が充実していない場合があります。例えば、研修費用の補助や住宅手当、各種保険の整備などが不十分なことがあります。これにより、従業員の生活や職業的成長に対する支援が限定されることがあります。転職するにあたり、先に確認しておくことをお勧めします。

5. 高い業務負担

小規模な環境では、少人数で多くの業務をこなす必要があり、個々のスタッフにかかる負担が大きくなることがあります。特に繁忙期やスタッフの急な欠勤時には、他のスタッフがカバーしなければならないため、過重労働に陥るリスクがあります。これがストレスや疲労の原因となり、健康面にも影響を及ぼす可能性があります。

6. 限られた設備と技術

個人経営のクリニックでは、予算やスペースの制約から最新の医療機器や設備を導入することが難しい場合があります。そのため、特定の診断や治療においては、大規模病院に依存せざるを得ないことがあります。これは、最新の医療技術を学びたい医療従事者にとっては不満の原因となることがあります。

結論

個人経営のクリニックで働くことには、多くのメリットとともに、いくつかのデメリットがあります。柔軟な勤務環境や緊密なチームワーク、患者との深い信頼関係、多岐にわたる経験などは、個人経営のクリニックならではの魅力です。一方で、経営の不安定性や限られたキャリアアップの機会、福利厚生の制限などの課題も存在します。

これらのメリットとデメリットを理解し、自身のキャリアプランやライフスタイルに合った職場環境を選ぶことが重要です。医療従事者としての成長とやりがいを追求しながら、個人経営のクリニックでの勤務が自身にとって最適な選択かどうかを慎重に検討することが求められます。

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