看護師としての業務は、社会的に重要な役割を担う一方で、身体的・精神的な負担も大きい職種です。
夜勤や人手不足、長時間労働、職場の人間関係など、日々の業務における負荷は決して軽いものではありません。
そうした環境の中で、「今の職場を変えたい」「自分に合った働き方を見つけたい」と考えることは、ごく自然なことです。そして、「転職しよう」と決意することは、キャリアの方向性を見直す上で非常に重要なステップでもあります。
しかしながら、転職活動には多くの不安や課題が伴います。
- 希望通りの条件で働ける職場があるのか
- 転職によってキャリアにマイナスの影響が出ないか
- 応募書類の作成や面接準備はどのように進めればよいか
本記事では、そうした不安を整理しつつ、看護師が転職を決めた際にまず取り組むべき行動を、順を追ってご紹介します。求人市場の現状を把握する方法、希望条件の明確化、書類作成のポイント、転職サイトの活用法まで、実務的な視点で解説しています。
転職はゴールではなく、新しいキャリアのスタートです。その一歩を確実に踏み出すために、まずは本記事で全体像を掴んでいただければ幸いです。
看護師が「転職する!」と決めた際に何をすれば良いのか?
「もう限界かも…」「このままでいいのかな?」
そんな風に思ったこと、ありませんか?
看護師という仕事はやりがいも多い一方で、体力的にも精神的にもハード。
夜勤や人手不足、人間関係のストレス…。
「このまま続けて大丈夫?」と自分に問いかける瞬間は、きっと誰にでもあるはずです。
そんな中で、「転職しよう」と決めたあなたは、とても前向きで、勇気のある一歩を踏み出そうとしています。
でも、いざ動こうとすると、期待と同じくらい不安も出てくるのが本音ですよね。
🌱前向きな思い・期待
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「もっとやりがいのある職場で働きたい」
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「スキルアップしたい」「専門性を高めたい」
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「人間関係の良い職場に行きたい」
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「夜勤のない生活に切り替えたい」
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「もっと自分らしく働きたい」
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「給料や待遇を改善したい」
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「ライフスタイルに合った職場を探したい」(育児・介護など)
😟不安・迷い
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「今より悪くなったらどうしよう」
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「人間関係がまた大変だったら…」
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「未経験の分野で通用するかな?」
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「転職回数が多いと印象悪い?」
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「今の職場に引き止められるかも…」
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「転職活動に時間を取られるのがしんどい」
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「面接や履歴書が不安」
こんな思う事や不安なことがあると思います。不安の払しょくが一番必要だと思いますが、私の実体験も交えて、実際に何から行動に移すべきかを考えてみます。
現実的な行動1:「自分で探すタイプの求人サイト」に登録する!
いきなり求人サイトに登録?って不安に思う人がいると思いますが、先ずは求人の現実を知ることが必要です。
・ 希望する地域にどのくらいの求人があるか?
・ 希望する給料と求人情報の乖離がないか?
・ 自分の給料よりも相場が本当に高いのか?
これらを事前に知る必要があります。仮に希望する地域に募集がない状態であれば、そもそも退職しても勤務先がない可能性が高まります。また、自分の希望する給料が、求人情報にある給料とかけ離れている場合には、違う戦略を練る必要があります。そして、自分で給料が低いと思っていても、意外にも求人相場は自身の給料に近い数字だったということも有り得ます。
要するに、求人活動する前の下見に使えるサイトが下記サイトです。
- 自分のペースで求人を探しが出来る
- 電話や面談なしで転職活動を進められる
- スカウトを見ながらチャンスを探せる
- 幅広い求人の比較が出来る
登録後には、SNSのようにプロフィールは充実させてください。
現実的な行動2:希望する条件を全て書き出す!
転職する!と決めたならば、あなたが何に不満で、何を求めるのか、そのような条件を箇条書きで結構ですので、書き出す必要があります。もちろん、パソコンで作成しても構いません。
退職予定日、転職希望日、転職先に譲れない条件(診療科、給料条件、休み、夜勤有無し、医療機関の規模など)、また妥協できる条件、給料は、現在の金額(総支給額や基本給、手当など)から具体的にいくらが目標なのか、妥協できる数字はいくらからいくらかなど、複数に分けて整理する必要があります。
この作業は、あなた自身の転職レジメのようなものであり、しっかりとした目標を定めるという意味も込めて必要になります。是非、しっかり整理して書いてみてください。
現実的な行動3:履歴書・職務経歴書を書く
転職する際に必ず必要になるのは、履歴書と職務経歴書です。
✅ 採用担当者はココを見ている!
書類 | 目的 | 採用側がチェックするポイント |
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履歴書 | 「基本情報」と「志望理由」の確認 | 年齢・住所・学歴・資格・志望動機・人柄が伝わるかどうか |
職務経歴書 | 「これまで何をしてきたか」「どんな力があるか」の確認 | 経験内容・スキル・実績・専門性・応募先とのマッチ度 |
📝ひと言で言うと…
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履歴書=“あなたのプロフィール”
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職務経歴書=“あなたの仕事ぶり・強みの紹介”
マイナビ転職に下記のようなテンプレートがありますので、こちらからのダウンロードをお勧めします。

✍️ 看護師のための「履歴書&職務経歴書の書き方」ガイド
転職活動を始めるときに避けて通れないのが、履歴書と職務経歴書の作成。
「何を書けばいいの?」「他の人と差がつくポイントは?」と不安になる方も多いですよね。
ここでは、採用担当者に好印象を与えるためのコツを、わかりやすく解説します!
📄 履歴書の書き方アドバイス
✅ 基本情報は丁寧に&正確に
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手書きでもパソコンでもOK。ただし誤字脱字はNG。
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証明写真は必須!清潔感のある服装・髪型で。スーツまたはナース服が◎。
✅ 志望動機は「その施設だからこそ」にフォーカス
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ただ「興味があるから」ではなく、その職場の理念や特徴と自分の思いをつなげて書くのがポイント。
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例:「患者様に寄り添う姿勢に共感し、私も丁寧なケアを提供したいと感じたためです」
✅ 長所・短所は実体験とセットで
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「協調性があります」などの一言ではなく、実際のエピソードや経験を交えて書くと伝わりやすいです。
📑 職務経歴書の書き方アドバイス
✅ 時系列でわかりやすく
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いつ、どの施設で、どんな業務を行ったかを時系列で記載。
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記載例:
2018年4月〜2022年3月 ◯◯病院(一般病棟)
(主な業務内容:点滴・採血、術後ケア、電子カルテ入力など)
✅ 実績や工夫したことを入れるとGOOD!
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「新人指導を担当」「感染対策マニュアルの改善に関わった」など、+αの貢献があれば積極的に書きましょう。
✅ 志望先のニーズに寄せる
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施設によって重視されるスキルは異なります。応募先が訪問看護なら、「在宅ケア経験」などを強調すると効果的です。
💡 ちょっとしたコツ
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一度書いたら、誰かに添削してもらうのがおすすめ(エージェント有りの転職サイトならエージェントのサポートを使うのも◎)
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「応募書類は“自分の紹介状”」という意識を持つこと
→ 書類で伝えたい「自分らしさ」を明確にしておくと、面接でもブレません!
何度も書き直ししても大丈夫です。逆に何度も見直しをするべきです!常に内容のアップデートは必要です。
現実的な行動4:転職先を探す作業
ここまでくるとジョブメドレーの登録終了(閲覧中であり、プロフィールなども作成中)だと思われます。また、条件等を整理した転職のレジメも作成されているでしょう。また、履歴書と職務経歴書もそこそこ出来上がっているのではないでしょうか?
そうなると、次に必要になるのが「具体的な転職先」です。
転職先を決めずに辞める事も否定はしませんが、やはり先に転職先を決めておいた方が「事が進めやすい」と思います。また、退職から転職までの期間を開けないことで、自分自身の心に焦りも無くなります。
ジョブメドレーを見て、あなたが希望する医療機関がありましたでしょうか?
見つかったなら次に進めます。
もし、あなたの条件に合うものが見つからないのであれば、転職エージェントに依頼する事も視野に入れる必要があります。
ジョブメドレーはサーチ型の求人サイトですので、そこそこ求人数はあります。しかし、他の転職サイトにあってジョブメドレーにはない求人も多々あります。ジョブメドレーで希望する転職先が無かった、もう少し魅力ある求人を探したいという場合には、他の転職サイト登録を検討します。
数多く転職サイトがありますが、おすすめは2つとなります。2つ登録しても良いですが、最初は下記の1つだけでも選択してください。無理に登録しても対応が面倒になるだけです。
転職サイトが沢山あってわかり難いと思いますので、以下の表にレバウェル看護とナース専科 転職の主な違いをまとめます。
比較項目 🔍 | レバウェル看護(旧:看護のお仕事) | ナース専科 転職(旧:ナース人材バンク) |
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求人数・対応エリア | 公開求人数:約14~15万件(全国最大級)。47都道府県対応、全国11拠点。都市部求人が豊富 | 公開求人数:20万件以上(業界最多規模)。全国15拠点を配置し地方求人にも強い(地域密着型) |
サービス形態 | 転職エージェント型(厚労省認可の民間職業紹介)。サイトで求人検索可能だが、応募・調整は担当アドバイザー経由で行う | 転職エージェント型(看護師特化の人材紹介サービス)。公開求人閲覧・スカウト機能あり(後述)も、基本はアドバイザーを通じた転職支援 |
アドバイザーのサポート | 親身で丁寧な専任キャリアアドバイザーが担当。履歴書添削・面接対策から条件交渉、入職後フォローまで一貫対応。希望者には面接同行も可能 | 地域専任のキャリアパートナーが対応。求人提案は地域事情に精通し迅速(初回連絡は2時間以内が目安)。履歴書添削・面接対策・条件交渉あり。面接同行は基本なし |
スカウト機能 | 無し。エージェントからの求人紹介が主 | 有り。匿名プロフィールを公開すれば病院等から直接オファーが届く(希望すればスカウトON可) |
非公開求人 | 多数あり。登録後、希望条件に合う非公開求人も含め提案 | 多数あり。登録者限定で非公開求人の検索・紹介が可能 |
サイトの使いやすさ | 条件検索の絞り込みが充実(給与順ソートや「7:1看護基準」「ブランク可」など細かな条件指定可)。LINEで気軽に連絡可能 | 求人検索で診療科目や病床数なども指定可能。マイページで希望条件の通知設定や都道府県別平均年収データ閲覧可。オリコン顧客満足度3年連続1位で「利用のしやすさ」に定評 |
※いずれのサービスも求職者の利用は無料(登録・相談・紹介に料金不要)です。両社とも看護師(正看護師・准看護師)、助産師、保健師などが対象で、正職員からパート、派遣求人まで取り扱っています。
現実的な行動5:応募と面接
転職先の目途が立った地点ですが、まだ、この地点でも在職先に退職を告げてはいけません。
応募と面接を行っていきます。
ジョブメドレーで転職先があったならご自身での応募、レバウェル看護やナース専科 転職を使っているのなら、エージェント経由での応募とします。面接に関しては下記に詳しく書いていますので一読ください。
ちなみに退職日を聞かれると思いますので、基本は3ヵ月後、問題ないのであれば1~2か月後を伝えてみてください。

現実的な行動6:はじめて退職を告げる
晴れて転職先が決まった際に、やっとここで退職を告げます。退職に関しても下記に詳しく記述していますので一読してください。

看護師 転職準備の総括
- 看護師はやりがいがある一方で身体的・精神的な負担が大きい
- 転職を決意するきっかけには人間関係や夜勤の負担が多い
- 転職には期待と同時に不安も伴う
- 求人情報を調べることは転職前の現実把握に重要
- ジョブメドレーはスカウト型の自分で探す求人サイトである
- 転職活動の第一歩は求人サイトへの登録から始めるべきである
- 希望条件と妥協条件を明確に整理することで方向性が定まる
- 給与や勤務条件などを数字で具体的に目標設定すべきである
- 履歴書と職務経歴書は転職活動に必須の書類である
- 履歴書では志望動機や人柄が重視される
- 職務経歴書では経験とスキルの具体性が求められる
- 書類作成後は誰かに添削してもらうと効果的である
- レバウェル看護はサポートが丁寧で面接同行もある
- ナース専科 転職は地方に強くスカウト機能が使える
- 応募・面接後に内定が決まってから退職を申し出るべきである