病院勤務とクリニック勤務を比較すると、一般的にはクリニック勤務の方が楽だと感じる人も多いかもしれません。しかし、それは状況や個々の経験によって異なり、一概には言えません。
仕事量と忙しさという面で考えてみると、病院ではより多くの患者が診察され、より多くの手術や処置が行われる場合があります。そのため、病院勤務はより忙しく、仕事量が多い傾向があります。一方、クリニックでは比較的少ない患者数で診察や処置が行われるため、忙しさは病院よりも低い場合があります。しかし、ひとりの職員にかかる比重は、医療従事者が沢山勤務している病院よりもクリニックで勤務する医療従事者の方が大きくなる傾向にはあります。
労働時間と休暇という面で考えてみます。病院では24時間体制で患者のケアが必要な場合があり、シフト勤務や夜勤があることが一般的です。一方、クリニックでは通常は定時での勤務であり、週末や祝日に休みを取ることが比較的容易な場合があります。しかし、これも一概には言えず、人が少ないからこそ、残業や休暇の取得が思ったほど希望通り取れない可能性もあります。転職する可能性があれば、絶対的に確認は必要になります。
また、外来クリニックだと、昼休みが長く、15時過ぎから再開して、19時までと遅くまで外来を開いていることもあります。拘束時間が長いということもありますので、確認は必要です。
専門性とスキル面では、 病院は医師や看護師などの医療従事者は高度なスキルや専門知識を必要とします。病院で働く看護師も認定看護師、専門看護師、特定行為など、看護の質は年々上がっています。看護学校も専門学校卒業が当たり前だった一昔と違い、看護大学卒や大学院卒業といった看護師も増えています。役職者も大学以上が一般的になりつつあります。
一方、クリニックでは一般的にはより簡単な症例や予防医療に焦点を当てており、スキルや専門性の要求は比較的低い場合があります。一般的な看護が出来ればクリニック勤務は問題ないでしょう。
職場環境という面ではどうでしょうか?
病院は大規模で複雑な組織であり、多くの場合、チームでの協力や連携が必要です。クリニックは規模が小さく、チーム全体でのコミュニケーションが比較的容易な場合があります。しかし、大きい組織としての利点や欠点、反対に小さなコミュニティーとしての利点欠点はそれぞれです。こればかりは、就職した後に判明することですし、転職者である”あなた”が加わることで、また違うエッセンスが増えるわけです。非常に比較しにくい面でもあります。
いずれにしても、これらの要素は一般的な傾向であり、個々の病院やクリニックの運営や環境によって異なります。また、個々の医師や看護師、医療従事者の経験や好みによっても、どちらがより楽と感じるかは異なるでしょう。