令和8年度の診療報酬改定に向けた議論において、第Ⅰ章では医療機関等が直面している急激な経済環境の変化への対応が最優先課題として掲げられています。特に、歴史的な物価高騰と賃金上昇、そして深刻化する生産年齢人口の減少に伴う人手不足に対し、医療提供体制を維持・継続するための具体的な施策が整理されています。この章の内容は、大きく物件費高騰への対応と、医療従事者の人材確保に向けた処遇改善・業務効率化の二つの柱で構成されています。
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レポートを確認する ≫Ⅰ 物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取りまく環境の変化への対応
主要キーワード:物件費高騰、賃上げ、処遇改善、ICT活用、配置基準の柔軟化、医師事務作業補助、様式9の簡素化、タスク・シフト、医師の働き方改革、診療科偏在、専従要件の緩和、食材料費の引き上げ
Ⅰ-1 医療機関等が直面する物件費の高騰を踏まえた対応
医療機関等の経営を圧迫している物件費の負担増加に対し、多角的な支援が行われます。これまでの物価高騰による影響を考慮し、診療報酬の基本部分である初診料、再診料、外来診療料、および入院基本料等について必要な見直しが実施されます。さらに、令和8年度および令和9年度に予想される更なる物価上昇に対処するため、それぞれの医療機関が担う機能や特性に応じた新たな評価体系が導入される方針です。
特に入院環境において大きな課題となっている食材料費や光熱水費については、患者への適切なサービス提供を維持するため、入院時の食費および光熱水費の基準額が引き上げられます。また、食事療養の質の向上を図る観点から、誤嚥防止に配慮した嚥下調整食について、適切なおいしさと栄養量を確保しつつ安全に提供できる体制を新たに評価します。加えて、患者の多様なニーズに応じた食事提供を可能にするため、特別料金の支払を受けることができる食事の要件についても、実態に合わせて見直しが行われます。
Ⅰ-2 賃上げや業務効率化・負担軽減等の業務改善による医療従事者の人材確保に向けた取組
医療従事者が不足する中で、質の高い医療を安定的に提供するためには、人材の確保と定着が不可欠です。本節では、処遇の改善だけでなく、テクノロジーの活用による業務の効率化や負担軽減を一体的に進めることが示されています。
Ⅰ-2-1 医療従事者の処遇改善
看護職員や病院薬剤師、その他の医療関係職種の確実な賃上げをさらに推進します。令和6年度の改定において導入された賃上げの仕組みを検証し、引き続き他の職種と同様に賃上げ措置の実効性が確保されるよう、評価体系の再構築が行われます。また、看護職員の離職防止と負担軽減のため、夜勤に係る組織的な軽減策を評価します。夜間配置加算等において、負担軽減や処遇改善に資する計画の立案と体制整備を促進するよう、算定要件が明確化されます。
Ⅰ-2-2 業務の効率化に資するICT、AI、IoT等の利活用の推進
最新のテクノロジーを活用した業務改革が強力に推進されます。看護業務においては、見守り機器や記録システム、情報共有ツールといったICT機器を組織的に導入することで、業務の効率化や身体的・精神的な負担軽減を図る取り組みが評価されます。こうした有用なICT機器を活用している場合には、入院基本料等に規定されている看護職員の配置基準を柔軟化する特例が検討されています。
また、医師の事務作業負担を軽減するための医師事務作業補助体制加算についても、ICTの活用による効率化を前提として、人員配置基準を柔軟化する措置がとられます。さらに、医療DXへの対応を加速させるため、診療に係る様式の簡素化や、不要な署名・記名押印の廃止、施設基準の届出事項の整理が進められます。特に現場の事務負担が重いとされる「様式9(看護要員配置の算出様式)」についても、実態に即した勤務時間の算入方法や小数点以下の処理方法などが簡略化され、現場の負担軽減が図られます。
Ⅰ-2-3 タスク・シェアリング/タスク・シフティング、チーム医療の推進
人手不足が深刻化する中で専門的なケアを維持するため、多職種が連携して業務を分担する体制が評価されます。特に重症度や医療・看護必要度が高い高齢者等が主に入院する病棟において、看護職員と他の医療職種が密接に協働して病棟業務を行う体制に対し、新たな評価項目が新設される予定です。
Ⅰ-2-4 医師の働き方改革の推進/診療科偏在対策
医師の働き方改革を実効性のあるものにするため、特に外科医師の減少や診療科の偏在が顕著な分野への対応が盛り込まれています。医師の勤務環境や処遇を改善しつつ、高度な医療を提供する医療機関に対する新たな評価が導入されるほか、地域医療体制確保加算についても、働き方改革を推進しつつ診療科の偏在を解消し、地域の医療提供体制を確保する観点から要件が見直されます。また、休日や深夜の救急対応、手術等に係る加算要件についても、実態に即した評価となるよう調整されます。
Ⅰ-2-5 診療報酬上求める基準の柔軟化
人手不足の状況下であっても、質の高い医療提供を継続できるよう、形式的な基準に縛られない柔軟な運用が認められるようになります。例えば、ハローワーク等を通じた適切な採用努力を行っているにもかかわらず、やむを得ない事情で一時的に看護職員が欠員となった場合などの配置基準が柔軟化されます。また、医療安全管理加算や感染対策向上加算、入院栄養管理体制加算等における専従要件についても、業務効率化の観点から見直しが行われます。
さらに、専門職の有効活用として、疾患別リハビリテーション等に従事する理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が、その専門性を活かしつつ病棟業務にも柔軟に従事できるよう、業務範囲の明確化と拡大が進められます。常勤職員の所定労働時間についても、柔軟な配置を促進する観点から実態に合わせた見直しが検討されています。
Ⅱ 2040年頃を見据えた医療機関の機能の分化・連携と地域における医療の確保、地域包括ケアシステムの推進
理事・採用担当者からの助言
もし今の職場で「正当に評価されていない」と感じるなら、それはあなたのスキル不足ではなく、単に「今の環境があなたに合っていない」だけかもしれません。採用の現場にいる私から見ても、一歩外を見るだけで条件が劇的に改善するケースを数多く見てきました。
第Ⅱ章では、高齢者人口がピークを迎える2040年頃を展望し、限られた医療資源の中で質の高い医療を提供し続けるための体制構築が示されています。患者の状態に合わせた医療機能の分化、地域における多職種連携の強化、そして在宅医療の充実が主な柱となっています。地域医療構想の進展に合わせ、各医療機関がそれぞれの役割を明確にし、効率的かつ効果的に機能するための評価の見直しが並んでいます。
主要キーワード:地域医療構想、急性期機能、重症度・医療・看護必要度、ICU・HCU実績、地域包括医療病棟、リハビリ・栄養・口腔の一体的取組、かかりつけ医機能、外来逆紹介、在宅医療、訪問看護、ポリファーマシー対策、医師偏在対策
Ⅱ-1 患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価
Ⅱ-1-1 患者のニーズ、病院の機能・特性、地域医療構想を踏まえた医療提供体制の整備
地域における急性期医療の持続可能性を確保するため、病院が果たしている実際の役割に着目した新たな評価が導入されます。具体的には、救急搬送の受け入れや手術実績などの急性期機能が高い病院に対する施設基準が設けられます。重症度、医療・看護必要度の評価についても、救急搬送症例や手術を伴わない症例の実態をより適切に反映するよう、評価手法の見直しが行われます。
高度な医療を提供する特定集中治療室(ICU)やハイケアユニット(HCU)については、その役割をより明確にするため、救急搬送件数や全身麻酔手術件数といった病院の実績を算定要件に加えるなどの見直しがなされます。また、臓器機能障害の程度を示すSOFAスコアの要件見直しや、遠隔集中治療の推進も盛り込まれています。地域包括医療病棟においては、高齢者の救急疾患の幅広い受け入れを推進するため、平均在院日数やADL低下割合の基準が整理されます。回復期リハビリテーション病棟では、より質の高いアウトカムを求める観点から、リハビリテーション実績指数の算出方法や除外対象患者の基準が見直されます。療養病棟については、医療の必要性が高い患者の受け入れを一層促すため、医療区分の内容が精緻化されます。
Ⅱ-1-2 人口の少ない地域の実情を踏まえた評価
医療資源が乏しい地域における医療提供機能を確保するための支援が強化されます。外来や在宅医療を担いながら、病状急変時の緊急入院を受け入れる体制を持つ医療機関が新たに評価されます。また、歯科医療のアクセスが困難な地域において、自治体と連携した歯科巡回診療車による活動も評価の対象となります。
Ⅱ-2 「治し、支える医療」の実現
Ⅱ-2-1 在宅療養患者や介護保険施設等入所者の後方支援を担う医療機関の評価
介護施設や在宅医療機関との実効性のある連携を維持するため、情報共有やカンファレンスの頻度などの要件が見直されます。特に高齢者救急の受け入れ実績を持つ地域包括ケア病棟などを高く評価し、地域におけるバックアップ機能を強化します。
Ⅱ-2-2 円滑な入退院の実現
入院前から退院後を見据えた支援を強化するため、入退院支援加算の要件が見直されます。介護支援専門員との情報共有や、高次脳機能障害患者に対する障害福祉サービスへの円滑な移行支援などが重点的に評価されます。
Ⅱ-2-3 リハビリテーション・栄養管理・口腔管理等の高齢者の生活を支えるケアの推進
リハビリ、栄養、口腔の三位一体の取り組みを強力に推進します。これらの一体的な実施体制を評価する加算が地域包括ケア病棟でも算定可能になるほか、医科と歯科の連携によって入院患者が歯科診療を円滑に受けられる体制の構築が新たに評価されます。
Ⅱ-3 かかりつけ医機能、かかりつけ歯科医機能、かかりつけ薬剤師機能の評価
地域における身近な医療・ケアの質を高めるため、機能強化加算や生活習慣病管理料の見直しが行われます。かかりつけ薬剤師については、患者が自ら薬剤師を選択し、服薬状況を一元的に把握する本来の機能を促進するための体系へと再編されます。また、要介護高齢者への全人的な医療を支える地域包括診療加算の対象患者や要件も整理されます。
Ⅱ-4 外来医療の機能分化と連携
大病院への外来患者の集中を抑え、役割分担を進めるため、紹介状なしで特定機能病院等を受診した際の初診料等の減算基準や、逆紹介割合の基準が引き上げられます。一方で、大病院から紹介を受けた診療所での初診に対する新たな評価が設けられ、専門医とかかりつけ医の円滑な共同管理を支援します。
Ⅱ-5 質の高い在宅医療・訪問看護の確保
Ⅱ-5-1 重症患者の訪問診療や在宅看取り等を積極的に担う医療機関・薬局の評価
24時間の在宅医療体制を地域で支えるため、往診時の情報連携や、退院直後の集中的な訪問栄養食事指導が新たに評価されます。在宅でのポリファーマシー(多剤服用)対策として、医師と薬剤師が同時に訪問し、服薬状況を調整する取り組みへの評価が新設されます。また、災害時を見据えた在宅患者への診療体制の確保も要件として盛り込まれます。
Ⅱ-5-2 重症患者等の様々な背景を有する患者への訪問看護の評価
過疎地域等における移動負担を考慮した加算の見直しや、ICTを活用した診療情報の共有が新たに評価されます。精神科訪問看護においては、ニーズの高い利用者に対応する訪問看護ステーションを機能強化型として評価する仕組みが導入されます。
Ⅱ-6〜Ⅱ-8 地域医療の確保と医師の偏在対策
人口減少地域における医療機能を維持するための支援が継続されるとともに、医師の偏在対策が強化されます。具体的には、都道府県知事による不足している医療機能の確保要請に応じない医療機関に対しては、機能強化加算などの特定の加算を算定させないといった厳しい評価の見直しが行われます。
Ⅲ 安心・安全で質の高い医療の推進
第Ⅲ章では、医療の質を科学的なデータやアウトカムに基づいて評価する仕組みの導入、医療技術の進歩に合わせた適切な評価、そして医療DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した安全性と利便性の向上が示されています。患者が安心して質の高い医療を受けられる体制を整えるため、従来の体制評価から、一歩踏み込んだ成果重視の評価へとシフトしている点が特徴です。
主要キーワード:身体的拘束の最小化、アウトカム評価、医療DX、電子処方箋、オンライン診療、早期リハビリテーション、がんゲノム医療、精神科多職種配置、歯科デジタル化、調剤報酬の対人業務シフト、イノベーション評価、医薬品安定供給
Ⅲ-1 患者にとって安心・安全に医療を受けられるための体制の評価
医療安全の根幹に関わる部分として、身体的拘束の最小化が重点的に推進されます。質の高い取り組みを行う体制を新たに評価する一方で、身体的拘束を実施した日の入院料については評価を見直すなど、拘束ゼロに向けた強い姿勢が示されています。また、認知症患者に対するアセスメントやケアの充実、医療安全対策加算の要件見直しを通じて、事故防止と患者の尊厳維持の両立を図ります。医療技術面では、新規の保険導入や既存技術の再評価を実態に即して行い、ロボット手術(内視鏡手術用支援機器)については実績に応じた評価体系を導入します。
Ⅲ-2 アウトカムにも着目した評価の推進
客観的なデータに基づいた医療の質を評価するため、データ提出加算の対象となる入院料の範囲を拡大します。外来においてもデータ提出を評価する仕組みを整え、診療実績(アウトカム)に基づいた評価を推進します。回復期リハビリテーションでは、リハビリテーション実績指数の算出方法を精緻化し、より効果的な回復を実現している医療機関を適正に評価します。
Ⅲ-3 医療 DXやICT連携を活用する医療機関・薬局の体制の評価
医療DXの普及を前提に、医療情報取得加算や医療DX推進体制整備加算の評価が見直されます。特に電子処方箋システムを活用した重複投薬チェックの利活用が重視されており、向精神薬の処方においてはチェックを要件化することで安全性を高めます。
オンライン診療についても、実態に即したルールの明確化が進められます。看護師が同行する場合の評価や、遠隔での多職種連携(D to P with D)の対象疾患の拡大、さらに在宅でのリハビリや栄養指導におけるICT活用などが盛り込まれ、通院負担の軽減と質の維持を両立させます。
Ⅲ-4 質の高いリハビリテーションの推進
発症早期からのリハビリテーション介入がより効果的であるとの知見に基づき、入院直後の早期介入を重点的に評価します。また、休日であっても平日と同様のリハビリテーションを提供できる体制を整えた医療機関に対し、新たな評価を導入します。リハビリテーション総合計画評価料の見直し等により、書類の簡素化を図りつつ、患者ごとの訓練内容に応じたきめ細かな評価を目指します。
Ⅲ-5 重点的な対応が求められる分野への適切な評価
救急医療では、24時間の応需体制を人員や設備面から評価する仕組みを新設します。小児・周産期医療では、分娩件数の減少を踏まえた混合病棟化への配慮や、産後ケアの体制構築が評価されます。がん医療においては、がんゲノムプロファイリング検査の効率化や、外来での化学療法、強度変調放射線治療(IMRT)の連携体制が見直されます。
精神医療については、多職種配置による質の向上や、精神疾患と身体疾患を併せ持つ患者への対応が強化されます。特に長期入院患者の地域移行や、児童思春期の精神疾患、早期発見・早期診療の体制構築に重点が置かれています。難病対策では、臓器移植や脳死臓器提供の機会確保に向けた管理料の見直しが行われます。
Ⅲ-6 感染症対策や薬剤耐性対策の推進
抗菌薬の適正使用を推進するため、微生物学的検査室を有する医療機関を評価する仕組みを導入します。また、院内感染対策が特に必要な感染症の入院患者に対し、適切な対策を講じるための管理加算の対象範囲が見直されます。
Ⅲ-7 歯科医療の推進とデジタル化
口腔疾患の重症化予防を目的とした歯科疾患管理料の要件拡大や、小児の咬合機能獲得に向けた新たな評価が導入されます。また、デジタル技術の普及を反映し、CAD/CAMインレーや冠の活用促進、光学印象を用いた製作の実態に合わせた評価など、歯科治療のデジタル化が強力に推進されます。
Ⅲ-8 薬局・薬剤師業務の対人業務の充実化
薬局が立地(門前等)に依存する構造から脱却し、薬剤師の専門性を発揮できるよう調剤基本料や調剤管理料が再編されます。対人業務である薬学的管理の質を重視し、重複投薬・相互作用の防止や、実効性の高い残薬対策を評価する体系へと見直されます。吸入薬指導や服用薬剤の調整支援など、専門的な介入についても要件が整理されます。
Ⅲ-9 イノベーションの適切な評価と医薬品の安定供給
優れた医薬品や医療機器が早期に患者へ届くよう、薬価制度や保険医療材料制度の改革に基づいた対応がなされます。同時に、後発医薬品等の安定供給を確保する体制についても適切な評価が行われます。
Ⅳ 効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上
第Ⅳ章では、医療資源の有効活用と医療保険制度の長期的、持続的な維持を目的とした施策が整理されています。医薬品の適正使用の推進、後発医薬品やバイオ後続品の更なる普及、そして市場価格や費用対効果を反映した適正な評価を通じて、限られた財源をより効果的に配分するための仕組みが構築されます。
主要キーワード:後発医薬品(GE)、バイオ後続品(BS)、安定供給体制、選定療養、費用対効果評価、市場実勢価格の反映、ポリファーマシー対策、施設間薬剤情報連携、病院薬剤師、電子処方箋、リフィル処方箋、残薬調整、保険給付の適正化
Ⅳ-1 後発医薬品・バイオ後続品の使用促進
医療費の抑制と創薬イノベーションの推進を両立させるため、後発医薬品およびバイオ後続品の使用を強力に推進します。処方や調剤に係る評価体系を見直し、後発医薬品の使用が定着している現状を反映させます。特に、昨今の大きな課題となっている医薬品の不安定供給に対応するため、安定供給に資する体制を整えている医療機関や薬局に対し、新たな評価を導入します。
バイオ後続品については、医療機関での使用体制加算の要件を見直すとともに、薬局においても調剤体制の整備や患者への丁寧な説明を評価する枠組みを新設します。また、長期収載品(特許切れの先発品)を患者が希望して使用する場合の選定療養制度については、後発医薬品の供給状況や患者負担の公平性に配慮しつつ、創薬イノベーションの推進を目指して負担の在り方を見直します。
Ⅳ-2 費用対効果評価制度の活用
最新の医療技術や医薬品の価値を多角的に評価するため、費用対効果評価制度の改革を進めます。制度改革の骨子に基づき、より合理的かつ透明性の高い評価を行い、保険給付の最適化を図ります。
Ⅳ-3 市場実勢価格を踏まえた適正な評価
Ⅳ-3-1 医薬品、医療機器、検査等に関する実勢価格の反映
薬価制度および保険医療材料制度の改革に基づき、市場における実勢価格を診療報酬に適切に反映させます。具体的には、市場実勢価格と公定価格の乖離を是正するための薬価・材料価格の引き下げ等を行います。また、衛生検査所の調査結果に基づき、検体検査の実施料についても市場価格を反映した適正な評価へと見直しを実施します。
Ⅳ-4 電子処方箋の活用や医師・病院薬剤師と薬局薬剤師の協働の取組による医薬品の適正使用等の推進
Ⅳ-4-1 重複投薬、ポリファーマシー、残薬、適正使用のための長期処方の在り方への対応
複数の医療機関から多種類の薬剤が処方されるポリファーマシー(多剤併用)を防止するため、病院薬剤師による施設間の薬剤情報連携を評価します。転院や退院時においても薬剤情報が適切に共有されるよう、薬剤総合評価調整加算の要件を見直します。さらに、電子処方箋システムによる重複投薬チェックをオンライン診療においても要件化し、安全性を高めます。
患者が手元に残っている薬剤(残薬)を調整しやすくするため、処方箋の様式を見直し、医療機関と薬局が円滑に連携できる仕組みを整えます。また、計画的な医学管理を前提とした長期処方やリフィル処方箋の適切な活用を推進するため、医学管理料や処方箋様式の見直しを行い、制度の普及を図ります。
Ⅳ-4-2 医師及び薬剤師の適切な連携による効率的・安全な使用の促進
薬剤師の専門性を病棟や在宅の現場でより活用するため、病棟薬剤業務実施加算の評価を見直します。退院時の薬剤情報管理や薬剤調整の実績を適切に評価する体系へとシフトします。また、在宅医療においては、医師と薬剤師が同時に訪問して残薬整理や服薬指導を行う取り組みを新たに評価し、多職種連携による薬物治療の最適化を目指します。
Ⅳ-4-3 医学的妥当性や経済性の視点も踏まえた処方の推進
保険給付の適正化の観点から、栄養保持のみを目的とした特定の医薬品について、その給付要件を見直します。医学的妥当性と経済性のバランスを考慮した適正な処方を推進します。
Ⅳ-4-4 電子処方箋システムによる重複投薬等チェックの利活用(再掲)
医療DXの基盤として電子処方箋の活用を最大化し、リアルタイムでの重複投薬チェックを診療現場に定着させます。
Ⅳ-5 外来医療の機能分化と連携(再掲)
大病院と地域のかかりつけ医の役割分担を明確にし、適切な紹介・逆紹介を促進することで、外来医療全体の効率化を図ります。
Ⅳ-6 医療 DXやICT連携を活用する医療機関・薬局の体制の評価(再掲)
医療情報のスムーズな共有と利活用を支援し、無駄のない質の高い医療の提供を評価します。
参照:中央社会保険医療協議会 総会(第640回)議事次第 : 令和8年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)
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