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レポートを確認する ≫2026年度の診療報酬改定に向けた議論が大きな節目を迎えています。社会保障審議会の医療保険部会および医療部会において改定の基本方針が固められ、12月24日には財務・厚生労働両大臣の折衝により改定率の枠組みも決定されました。これら一連の動きを受け、中央社会保険医療協議会(中医協)では、年内の議論を締め括る形として、支払側と診療側の双方が改定に向けた具体的な意見書を提出しました。
今回の改定は、物価高騰や賃上げへの対応、さらには地域医療構想の推進といった極めて重要な課題が山積しています。年明けからは「議論の整理」を経て、具体的な項目案を示す「短冊」の提示、そして2月上旬の答申へと、実務的な詰め作業が加速する見通しです。
支払側が主張する「病院機能の厳格な分化」と「効率化」
健康保険組合などの支払側は、限られた財源を有効に活用するため、医療機関の役割分担をさらに明確にすべきだとの立場を鮮明にしています。
入院医療における「選択と集中」の徹底
支払側は、すべての急性期病院を一律に評価するのではなく、実績に基づいたメリハリのある評価体系を求めています。具体的には、全身麻酔手術の件数や救急搬送の受け入れ実績を指標とし、高度な機能を持つ病院に財源を重点配分すべきだとしています。また、急性期一般入院料1についても、7対1看護配置という形式だけでなく、実力の伴った「拠点的な急性期」を厳選し、評価を細分化することを提案しています。
リハビリと慢性期病床の適正化
回復期リハビリテーション病棟については、高齢者人口の減少や地域差を踏まえ、重症者の受け入れ実績をより厳格に評価することで、過剰な病床数の絞り込みを促すべきだと主張しています。療養病棟などの慢性期医療についても、介護保険施設では対応できない重症者に特化するべきであり、経営状況が安定している実態を反映した適正な評価を行うべきだとしています。
外来医療とかかりつけ医機能の再編
外来については、新しく始まる「かかりつけ医機能報告制度」との整合性を重視しています。従来の加算を整理し、実際に提供可能な医療サービスの内容や研修実績に基づいた段階的な評価体系への組み替えを提案しました。あわせて、生活習慣病管理料の適正化や、大病院への集中を防ぐための逆紹介ルールの厳格化も求めています。
診療側が求める「経営の安定化」と「物価・賃上げ対策」
一方、日本医師会などの診療側は、医療現場が直面している未曾有のコスト増大を強調し、医療提供体制を維持するための下支えを強く要望しています。
初診料・再診料の引き上げと医療DXの支援
診療側は、物価高騰や人件費の上昇が経営を著しく圧迫している現状を訴え、医師の技術料の基本である初・再診料の大幅な引き上げを求めています。また、電子カルテ情報の共有化といった医療DXの推進に伴う多額のシステム導入・維持費用について、診療報酬で適切に評価することを強く求めています。
入院基本料と現場の負担軽減
入院医療については、光熱費や設備維持費の増大を反映させるため、入院基本料そのものの底上げを主張しました。また、改定のたびに「看護必要度」の評価項目が変わることが現場の大きな負担になっていると指摘し、2026年度改定では不合理な点の修正に留めるべきだとしています。あわせて、医師の働き方改革を推進するため、医師事務作業補助体制加算を全病床で算定可能にするといった、規制緩和に近い要望も出されています。
在宅・外来における実態に即した評価
在宅医療においては、専門的な処置が必要な患者に対し、月内の訪問回数制限を緩和することや、救急搬送後の転院(下り搬送)を受け入れる医療機関への正当な評価を求めています。また、院内処方を行う医療機関が直面しているコスト負担を考慮し、調剤薬局との報酬格差を是正すべきだとの意見も根強く出されています。
賃上げおよび物価高騰への対応策
今回の改定で最大の焦点の一つとなっているのが、医療従事者の処遇改善です。これに対し、両側の意見にはアプローチの違いが見られます。
支払側の視点
支払側は、賃上げが確実に行われたかどうかを検証できる仕組みの創設を求めています。現在バラバラに存在する処遇改善関連の評価料を、より分かりやすく統合した報酬体系に整理し、夜勤手当の増額など、現場の労働環境改善に直結する形での配分を提案しています。
診療側の視点
診療側は、特定の職種に限定された現行の評価料には課題があるとし、医療機関に従事するすべての職員を網羅できるような評価を求めています。具体的には、特定の加算を作るのではなく、基本診療料に上乗せすることで、より柔軟に人件費に充当できる仕組みを理想としています。
2026年2月の答申に向けた今後のスケジュール
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令和8年度(2026年度)診療報酬改定の全容:医療費と賃上げはどう変わる?年内までの議論で主要な論点は出揃いました。今後は、急性期入院医療の評価のあり方やかかりつけ医機能の具体像、そして物価・賃上げ対策の最終的な配分比率について、激しい交渉が行われることになります。
今後の予定は以下の通りです。
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2026年1月初旬:議論の整理(主な改定項目のリストアップ)
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2026年1月21日:オンライン公聴会およびパブリックコメントの募集
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2026年1月下旬:個別改定項目(短冊)に基づいた詰め
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2026年2月上旬:中央社会保険医療協議会による答申
医療の質を維持しながら、いかにして持続可能な保険制度を構築するか。支払側と診療側の主張が真っ向からぶつかり合う中、厚生労働省による最終的な調整案が注目されます。


