【在宅医療】在宅医療充実体制加算 | 重症患者を支える医療機関への評価が劇的に手厚くなった

2026年度改定が求める在宅医療の姿 診療報酬改定
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2026年度(令和8年度)の診療報酬改定において、在宅医療は「量から質へ」というスローガンを超え、「実態が伴っているか」が報酬を左右する厳しい選別の時代に突入しました。

本記事では、2026年2月13日の中医協答申に基づき、在宅医療に関わる経営者・医療従事者が真っ先に把握すべき変更点を結論から詳しく解説します。

【改定の要旨】結論:実態評価の厳格化

  • 加算の倍増: 重症患者を支える体制(在宅医療充実体制加算)の点数が大幅に引き上げられました。
  • 形式的届出の排除: 往診代行医師との事前面談が義務化され、外部サービス頼みの体制は評価を失います。
  • 患者構成の数値基準: 月2回の訪問診療を維持するには、重症患者が20%以上という明確なハードルが設けられました。

今回の改定は、千葉市をはじめとする都市部で訪問診療を展開する医療機関にとって、単なる点数変更以上の意味を持ちます。それは、地域に根ざし、24時間体制を自院の責任で完結させているクリニックが正当に評価され、そうでないモデルが淘汰されるという明確なメッセージです。

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評価は実態へ。在宅医療充実体制加算が大幅にアップ

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2026年度の診療報酬改定における最大のトピックは、地域で重症患者を支える医療機関への評価が劇的に手厚くなったことです。

これまでの在宅緩和ケア充実診療所・病院加算は、その名称を在宅医療充実体制加算へと改め、点数がほぼ2倍に引き上げられました。単に24時間の体制を整えているという形式的な届け出だけでなく、実際に看取りや緊急往診を行い、重症度の高い患者をどれだけ診ているかという実績が厳格に問われるようになります。

在宅時医学総合管理料(在総管)の点数推移

自宅で療養を続ける患者の管理を担う在総管において、加算点数は以下のように変更されました。どの患者数区分においても、これまでの2倍の評価が付けられています。

単一建物診療患者数 改定前 改定後 増減
1人 400点 800点 +400
2〜9人 200点 400点 +200
10〜19人 100点 200点 +100
20〜49人 85点 170点 +85
50人以上 75点 150点 +75

施設基準の要点今回の改定では、相当の実績を有していることが明記されました。看取りや緊急往診の件数だけでなく、日常的に重症患者に向き合う姿勢そのものが評価軸へと組み込まれています。

施設入居時等医学総合管理料(施設総管)

施設に入居されている患者様向けの管理料についても、在総管と同様に大幅な引き上げが行われました。

単一建物診療患者数 改定前 改定後 増減
1人 300点 600点 +300
2〜9人 150点 300点 +150
10〜19人 75点 150点 +75

看取りや緊急往診に対するさらなる評価

重症患者への対応を強化するため、ターミナルケアや緊急時の往診に関する加算も軒並み引き上げられています。
その他の加算についても、項目がはっきりと見える「濃い色の文字」ベースのスタイルで作成しました。

加算区分 改定前 改定後
在宅ターミナルケア加算 1,000点 2,000点
緊急往診加算(充実体制加算時) 100点 200点

24時間体制の要件厳格化と往診代行の適正化

理事・採用担当者からの助言

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今回の改定では、在宅療養支援診療所が外部サービスを利用する場合のルールが明確化されました。これは、形だけの24時間体制を是正し、医療の質を担保するための大きな一歩です。

往診代行サービスを利用する際の3つの必須条件

代行サービスの医師が往診を行う場合、以下の要件を事前に満たしていなければ、在宅療養支援診療所としての施設基準を維持できなくなります。

1往診を担当する医師は、事前に当該医療機関の常勤医師と対面で面談していること
2患者一人ひとりの診療方針や必要な情報について、あらかじめ共有が完了していること
3上記の要件を満たさない医師による往診は、体制確保の実績としてカウントしない

基準を満たせない場合のリスクこれらの要件をクリアできない場合、在宅療養支援診療所の認定を取り消される恐れがあります。その結果、算定できる管理料が大幅に下がるため、運用体制の見直しが急務となります。

続きのセクションを作成します。視認性を高めるため、重要なキーワードは太字や背景色で強調し、専門的な要件は整理して記載します。

連携型機能強化型在支診の再編と往診の実績評価

複数の医療機関が協力して24時間の体制を維持する連携型の機能強化型在宅療養支援診療所(在支診)・在宅療養支援病院(在支病)についても、大きな見直しが入りました。

今回の改定では、普段からその患者の診療を担当している医師が、実際にどの程度24時間の往診体制に寄与しているかによって、区分が2つに分かれます。

往診体制の確保状況による区分け

判断の基準となるのは、継続的な往診体制の月間実績です。

区分 判定基準 算定点数
往診体制確保あり 月4回以上の連続する24時間の往診体制を確保 機能強化型の点数を維持
往診体制未確保 体制確保が月4回未満 従来型在支診と同点数へ引き下げ

実態を伴わない形だけの連携は評価を下げ、自院や連携先の医師が責任を持って地域を回っている体制がより高く評価される仕組みになっています。

月2回訪問は重症患者2割以上が必須要件に

これまでは訪問回数という量が重視されてきた側面がありましたが、2026年度からは誰を診ているかという質的な評価が強化されます。

在宅時医学総合管理料(在総管)や施設入居時等医学総合管理料(施設総管)において、月2回以上の訪問診療を行っている場合、その対象患者の中に占める重症・高介護度患者の割合が基準を下回ると、算定できる点数が下がります。

算定の分かれ目となる20パーセント基準

月2回以上の訪問を行っている患者のうち、下記のいずれかに該当する患者が20パーセント以上いなければなりません。

対象となる主な患者像・末期の悪性腫瘍や難病などの特定疾患を抱える方

・要介護3以上、または障害支援区分2以上の方

・認知症高齢者の日常生活自立度ランクIII以上の方

・人工呼吸器やカニューレ管理、高度な処置が必要な方

この割合が20パーセントを割り込むと、たとえ月2回訪問していても、算定区分は月1回訪問の区分まで落とされることになります。軽症患者中心の効率的な巡回ではなく、手間のかかる重症患者を積極的に受け入れる体制が求められています。

多職種連携を評価する2つの新設項目

医師一人で完結するのではなく、薬剤師や管理栄養士といった専門職が在宅の現場に直接入り込むことを促す評価も新設されました。

訪問診療薬剤師同時指導料(300点)

医師と薬剤師が同時に自宅を訪問し、一緒に薬の状況を確認した際の評価です。複数の医療機関から出ている薬の整理(ポリファーマシー対策)や、飲み残しの改善を目的としています。6カ月に1回、300点が算定可能です。

退院後訪問栄養食事指導料(530点)

病院に勤める管理栄養士が、退院から1カ月以内の不安定な時期に自宅へ直接訪問し、食事の指導を行うための点数です。癌や低栄養状態の患者様を対象に、最大4回まで算定できます。病院と在宅の切れ目ない栄養管理を評価する画期的な新設と言えます。

業務継続計画(BCP)の策定が施設基準に追加

災害時や感染症の流行時でも、在宅医療の提供を止めてはならないという観点から、在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院に対して業務継続計画(BCP)の策定が義務化されました。

単に計画を作るだけでなく、定期的な見直しを行うことも求められます。在宅患者は避難が困難なケースが多く、地域の行政や訪問看護ステーション、介護事業者などと連携した具体的な対応策を盛り込む必要があります。

経過措置について2026年3月31日時点で既に届出を行っている医療機関については、2027年5月31日まで策定の猶予期間が設けられています。早めの準備を進めておきましょう。

在宅療養指導管理材料加算のルールが3カ月で統一

これまで「月1回」「2カ月に2回」「3カ月に3回」と項目ごとにバラバラだった算定ルールが、一律で3カ月に3回に統一されました。

これにより、長期処方を行う際などの事務的な煩雑さが解消され、より柔軟な処方が可能になります。管理体制をシンプルに整理できるメリットは大きいと言えます。

算定要件としての残薬確認の徹底

在宅時医学総合管理料(在総管)や施設入居時等医学総合管理料(施設総管)を算定する際の要件に、残薬状況の把握と処方内容の調整が追加されました。

求められる具体的なアクション・訪問時に残薬の状況を直接聴取する

・把握した情報をもとに、適切な服薬管理や処方調整を行う

・看護職員などによる情報把握も含め、チームで薬の管理に取り組む

「薬が余っているが、とりあえず処方し続ける」という状態を改善し、適正な医療費の実現と患者様の安全な服薬を両立させることが狙いです。

へき地診療所における在総管等の特例

医師不足が深刻な地域の医療を支えるため、へき地診療所に対する特例が設けられました。

医師の派遣元となっている医療機関が、緊急時の対応や24時間の診療体制をバックアップしている場合に限り、へき地診療所の医師が常勤でなくても在総管や施設総管を算定できるようになります。地域ごとの実情に合わせた、柔軟な運用が認められた形です。

2026年度改定が求める在宅医療の姿
今回の改定を象徴するのは、実態のない届出を認めず、地域で真摯に重症患者を支える医療機関を正当に評価するという姿勢です。

往診代行における事前面談の義務化、重症患者割合の数値要件、往診実績に基づく区分の再編――。これらすべては、在宅医療が量から質へと転換するフェーズに入ったことを示しています。

変化の激しい制度改定ですが、地域に根ざし、患者様や多職種と向き合い続けることが、これからの評価と信頼に直結していくでしょう。

参考:厚生労働省 中央社会保険医療協議会 2026年2月13日答申資料
※点数や要件は答申時点のものです。運用にあたっては最新の告示・通知をご確認ください。